『悪魔の手毬唄』

 というわけで、すっかり正月の定番となった感のある、稲垣吾郎金田一耕助シリーズ最新作は、手毬唄に見立てた連続殺人。

 せっかくなので原作を再読しようと、出版芸術社から刊行された横溝自選傑作選を手に取ったのですが、読むタイミングが悪くまだ冒頭100ページぐらいしか消化できてません。その100ページぐらいが、ドラマでは20分ぐらいで流されました……早い。

 どうも稲垣吾郎金田一は軽すぎて、必ずしも好みではないのですが、5作続けてきて独自のムードを定着させたのは確か。塩見三省演じる橘署長とのコンビネーションもいい雰囲気になっていて、観るのは楽しいのです。ただ、音楽がちょっとやかましすぎるのと、“ゆかり御殿”とかが遊びすぎているのが気になりました。

 いちばんの見所は、犯人の告白のシーンでしょう。狂気に彩られた犯行と哀しい成り行きが過剰気味な芝居で綴られ、かなりのインパクトがありました。

 もう作りは安定してきたので、たぶん来年もやると思われますが……次は何だろうねえ。

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