プログラム切り替え直後の月曜日は午前十時の映画祭7を観に行く日です。ゴールデンウィーク中は出かけない、と言っておいて何ですが、しかしゴールデンウィーク中であるが故に、今週と来週だけは1週間でプログラムが切り替わってしまう。明日から3連休で普通より混み合うのは目に見えてますから、金曜日でなければ今日行くほかない。
というわけで毎度ながらのTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞したのは、『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』などで知られる巨匠デヴィッド・リーン1955年の監督作品、ヨーロッパをひとり旅していた女性がヴェネツィアで体験するロマンスをほろ苦く描いた『旅情』(日本ユナイテッド・アーティスツ×松竹配給)。台2回新・午前十時の映画祭で上映された作品ですが、ちょうどこの頃から感想を書く時間がなかなか見つからなくなり、未だに後回しになっているのでした……再鑑賞して感想を書こう、と思っていた頃合いだったので、ちょうど良かった、とも言えますが。
題名通り、旅の雰囲気は非常にうまく表現されている。しかしその一方で、一人旅のリアリティをかなり丁寧に汲み取っている。旅先で知り合った人々と交流を持ちたくても、旅人は自分の予定で忙しく、現地で暮らす人々にもそれぞれの事情がある。いざロマンスが始まったところで、それは自分が望んでいたファンタジーを提供してくれるわけではない。そのつもりで見ると終盤の流れは一種、中年を迎えてからの成長物語のような趣があり、だから感傷的のようでありながらも清々しいのでしょう。デヴィッド・リーン監督はこのあと、映画史に残る大作を相次いで発表しますが、それと比べると小振りな印象のある作品ながら、これもまた傑作。好みで言えば私は『ドクトル・ジバゴ』が好きなんですけどね。ちなみに『ドクトル・ジバゴ』は夏頃にこの映画祭で上映予定。
いつもなら鑑賞後は近場の安くて美味しい店で食べて帰るのですが、今日はまっすぐ帰宅。用意してあった材料で、ひとり分の煮込みうどんを作って食べました。手探りで作ったので、若干薄味だったのが残念でした……残念だったので近いうちに再挑戦する。
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