昼食のついでに六本木。

　最近すっかり六本木から足が遠のいております。そろそろうどん店に行きたくなったので、ここで昼食を摂ることを主目的に、ついでのつもりで朝から映画鑑賞へ。関東も梅雨入りしましたが、今日はせいぜい通り雨程度だろう、という予報だったので、若干びくびくしつつも自転車にて移動。……久しぶりだったせいで、所要時間を見誤り、予告篇が始まったあとで入場することになってしまった。

　目的地先行で選んだ本日の作品は、ディズニーアニメ最新作、動物たちが進化し文明を築いた世界で起きる事件を描いた『ズートピア（吹替・2D）』(Walt Disney Studios Japan配給)。3D版はどうやら私の行動範囲内では上映終了、ディズニーについては吹替版の出来もけっこう安定しているので、吹替＆2Dという私としては珍しい取り合わせに。

　ＣＭで自ら“意外と奥が深い”と言い切ってしまうほどなので気になってましたが、本当に奥が深かった。安易に動物を擬人化したのではなく、私たちの知っている動物が基本的な生態はそのままに知能と文明を得た、という設定だからこそ成り立つドラマが、近年の実写映画では却って描きづらくなった差別問題をかなり率直に切り取っている。そのうえで、それを掘り起こすために用意した事件の構造、ドラマの伏線の巧みさは出色です。本来相容れないはずのふたりが友情を築いて事件に挑む、というバディ・ムービーの様式もこの主題にぴっちりとハマっている。生半可な娯楽映画など蹴散らしてしまうくらい、驚異のクオリティでした。ピクサーが合流して以降のディズニー作品はけっこう観ていますが、そのなかでもトップレベルの名作だと思います。

　鑑賞後は予定通りにうどん店にて昼食を摂り、雨を警戒してすぐに帰宅――雨よりも、久しぶりの六本木行きそれ自体が体力的にこたえました……最近、もうちょっと近場で済ませることが多かったからなー……。