フリーパス、やっと3本目。

 ……きのう触れた件については、余分に処方された薬の分は返品・返金という対応をしてもらえることになりました。しかしその過程で、あまりにも不愉快なことが多く、午前中いっぱい費やしてすっかり疲れ切ってしまいました。

 もともと今日は、夕方から映画を観に行くつもりで張り切っていたのです。せっかくフリーパスを発行したのに、台風があったり予定との兼ね合いがあったりでほとんど有効に使えていませんでしたから、思いきってハシゴをするつもりでいました。そのぶん、午前中に作業を進めるはずが、そんなこんなでもはや何もやる気が起きず。仮眠を取ったあと、だいぶ悩んだのですが、気分転換をしないと手が動きそうもなかったので、とりあえず1本くらいは観てこよう、と意地で出かけました。だいぶ悩んだせいで時間がギリギリになったのと、そもそも精神的消耗が激しくて自転車を漕ぐ気になれなかったので、久々の快晴ですが、今日も電車にて移動。

 赴いたのは、約2ヶ月ぶりのTOHOシネマズシャンテ。鑑賞したのは、“赤狩り”旋風によって投獄されるほどに迫害されながらも逞しく執筆活動を続け、匿名で2度にオスカーを獲得した脚本家ダルトン・トランボの姿を、フィクションも交えつつ活写したトランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(東北新社×STAR CHANNEL MOVIES配給)

 要は、芸術家が言論弾圧と如何にして戦ったか、という話なのですが、このトランボという人物像がなかなかに魅力的。遠慮せずにずけずけとものを言い、ギャラの交渉も進んで行う、という当時としてはけっこう型破りな人物だったそうで、事件や登場人物を整理しながらも、そういうキャラクター性と魅力はくっきりと描き出す。そのなかで、この当時の“赤狩り”がどのように展開していったか、を巧みに語ってます。視点は弾圧を受けていた側ですが、必ずしも追求する側や、裏切った者を悪人として描かず、最後にしっかりと決着をつけているのがミソ……しかしこれをトランボは実際にやっていたのですから、やはり特異な才人だったのでしょう。『ローマの休日』などはオリジナルの映像を流用する一方、撮影風景を再現して当時の雰囲気も感じさせる、近代史としても上々の仕上がり。

 何より、いちおう物書きをしている者として、けっこう力づけられる内容でした……いささか、というかかなり気分が腐っていたので、いい具合にリフレッシュ出来ました。疲れでまだ頭はよく回りませんが、少なくとも心情的には落ち着いた気がします。

 劇場を出るくらいまではまだ迷ってましたが、スッキリしたとは言い条、気力のほうは限界に近かったので、2本目は諦めて帰宅。……ああ、いったいいつになったら観られるんだろうな、頭を剃ったジェームズ・マカヴォイは。

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