前話では一時保留となっていた、雪女・日下部雪の悩みの解決篇です。
今回、流れはほぼ原作通り。昼休みの出来事、ということにして、高橋先生に資料漁りの時間を与えたり、続くエピソードへのスムーズな橋渡しを考慮した描写が加えられてたりしますが、意識や根本には手をつけない、原作を尊重した組み立てです。
ただ、全般に間の取り方が個人的には不満。雪が、本人が危惧していたような、他人に危害を加える亜人ではない、と高橋先生が励ますくだりでは、雪の反応に至るまでの情感をもっと膨らませて欲しかったですし、本来のコミカルさを取り戻すBパートの描写も、笑いを印象づけるための間を作って欲しいところが随所に。原作単行本では各話のあとに挿入されている4コマのエピソードや、雪のエピソードのきっかけにもなっていた佐竹くんの後始末の話もちゃんと入れているのはいいんですが、そのせいで余裕がなくなってしまった気がします……まあ、あとの展開を考慮すると、佐竹くんの件はどこかで触れないわけにはいかず、タイミング的にもここしかなかったのも事実なんですけど。今回は出番がなかったぶん、名前の呼び方のくだりで佐藤先生の照れ顔を出す原作の演出は充分に活かして欲しかった。
絵のクオリティも演出のうえでも会心の出来、という印象だった前話があるだけに、どうも見劣りしてしまうのはちょっと残念。あとはクライマックスまで多少ヌルい話があってもいいので、この第5話だけは前話と同じくらい気張って欲しかった――あくまで個人的な感想ですが。
でも、基本的には今回も満足のいくクオリティでした。ここで書き連ねたのは、思い入れがあるがゆえの願望に過ぎません。
亜人ちゃん3人娘が揃ったところで、次回はここまであんまり言及のなかった小鳥遊ひかりの妹・ひまりのエピソードの模様。……しかし、この辺でそろそろ原作の単行本収録済エピソードは網羅してしまうんですが、このあとどうするんだ? 私がアニメ版のヤマ場と目している原作30話につながる話が最終話に見込まれるとしても、あと5、6回はあいだに挟まるんですが、そんなにエピソードあるか? 原作に対して誠意のある作りなので、まるまるオリジナルの回が何度かあっても期待は出来そうですけど。
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