金曜土曜は封切り作品を鑑賞するのが優先なんですが、今週は特例で、午前十時の映画祭7を押さえてきました。私の通常のルールは、プログラム切り替え直後の月曜日に鑑賞する、なんですが今週はご存じの通りアカデミー賞の発表があったため、外さざるを得ませんでした。次の月曜日は、また別の作品を観に行くことを考えているので、取り急ぎ押さえてきた次第。
いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、シドニー・ポラック監督、メリル・ストリープ主演によるドラマ、アフリカで農園を開いた女性の数年間を回想する『愛と哀しみの果て』(ユニヴァーサル映画×UIP初公開時配給)。
いくぶん情緒的すぎるきらいはありますが、安易な見せ場に頼ることのない厚みのあるドラマです。このあいだのアカデミー賞で“過大評価されている女優”とさんざからかわれてましたが、存在感や佇まいの醸しだす空気はさすが。終盤の説得力、深い余韻もドラマの積み重ねと演技の重厚感の賜物です。見応えは充分でした。
私自身も観ることに抵抗を覚えていた大きな原因は、あまりにもロマンス色濃厚な邦題にあったんですが……しかしこれは仕方がないところかも知れません。現代“Out of Africa”をそのまま訳すと日本語では素っ気なさ過ぎるし、他にどこかの要素を抜き出しても物足りないし、何より売りにならない。本質を犠牲にしてでも、キャッチーな語句を選択したのは、戦略としては間違ってないと思います。実際、内容は知らなくてもタイトルだけは知ってる、というインパクトをちゃんと残しているわけですから。駄目だというならもっと相応しくて誰しもが「そのタイトルなら観たい」と思う代案を挙げてみようね。
鑑賞後は久々に近くの立ち食いそばで昼食を摂ってから帰宅。
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