図らずも成立した罠。

 先にお断りしておきます。この項では、世間様に忌み嫌われる“黒い悪魔”の話をしてます。固有名詞が出て来なくてもイヤ、というくらい嫌悪されている方は、ここで読むのをやめることをお薦めします。大丈夫、という方だけ、※※※の先にお進みください。

 私の家には、ネスレのドルチェグストがあります。カプセルを取り付けて給水するだけで、お店と比べても遜色のないコーヒー類が作れるので、近ごろは1日1杯以上これで淹れたコーヒーやカプチーノを飲んでいます。

 このカプセル、基本的には1杯淹れたあとは廃棄することになる。ただ、注いだ水分などがカプセルに残っていることがあるので、ドルチェグストの機械にセットになっている、専用のゴミ箱捨てておきます。ゴミ箱には目の粗い籠が嵌まっていて、水分が切れるようになっているので、一定の量のカプセルがたまったら、籠の中身だけ普通のゴミ箱に移して捨てる、というわけ。

 しかしこのプロセスで、カプセルが溜まるまで何日もほったらかしていると、残っていた成分や排出した水分が腐ってきてしまう。当然ながら、特に夏場は傷みやすい。

 だからなるべく早く始末はしているのですが、それでも出てくる影響が、あの“黒い悪魔”です。アイツら、カプセルからこぼれた栄養分まで狙っているようで、ゴミ箱を開けようとするとわさわさ這い出てくる。潰せないほど駄目、という人間ではないので、すぐさまカプセルを出してから水道水を注ぎ込んでまとめて流してしまうわけですが、それだって活き活きしたアレがうじゃうじゃ出てくるのはあんまり気分のいいものではない。

 何度かそんなことを繰り返しているうちに、ふ、と思いつき、先日カプセルを廃棄してゴミ箱を洗ったあと、ゴミ箱の底にすこーしだけ水を張り、洗剤を数滴垂らしてみた。“黒い悪魔”は界面活性剤に弱いので、こうしておけばたぶん中には棲みつかないだろう、と考えたのです。

そして今日。仕掛けをしていたことを半ば忘れたまま、カプセルを捨てようと籠を取り出してみて、唖然としました。

 下に溜まった水分に、アレのなれの果てが幾つも浮いていた。

 生きてるアレはいません。ぜんぶ、羽根まで広げた状態で浮いたり沈んだりしている。数は勘定しませんでした、さすがに気持ち悪すぎて。

 どうやら図らずも、まあまあ有効な“黒い悪魔”ホイホイになってしまったようです。カプセルを捨てゴミ箱も綺麗に洗ったあと、もういちど底に薄く水を張り洗剤を垂らしておきましたが……次に捨てるときがいまから怖い。

 冒頭で予めお断りはしましたが、それでも読んで不快になってしまった方にはお詫びします。ごめんなさい。でもこの気分を共有して欲しかったの。

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