唐突な鑑賞報告。

 いまさら? とお思いかも知れませんが、だって観てなかったんだもの。必要が生じて本日、急遽鑑賞しました。ちなみに鑑賞したのは“クロニクル”ではなく、1992年に製作10周年を記念して再編集された“ディレクターズ・カット 最終版”です。現行商品は更にこのあと手懸けられた“ファイナル・カット”がメインで、この“最終版”は“クロニクル”に擬似的に収録されているそうなのでやむなくリンクは“クロニクル”にした次第……だって、私が「いずれ観よう」と思ってDVD買ったのが、間違いなく“ファイナル・カット”リリース以前だったんだもの。まさかこんなに棚晒しにするとは自分でも予想してなかったわ。

 というわけで初めてじっくりと鑑賞した本篇は、ストーリー的には一見平易、あんまり紆余曲折もなく決着したように見せかけて、釈然としないようなクライマックスの展開に仕掛けられた問いかけが深い。そしてそこまでに至る、薄汚れた近未来像のインパクトは未だにけっこう強烈です。『JM』や『マトリックス』、同じP・K・ディック原作に基づく『クローン』などで本篇に影響された近未来像にはさんざん接してきて、もうだいぶ慣れてしまっている目にもそう映るんですから。

 ただ、ひとつ引っかかるのは、再編集の機会を得たことで敢えて暈かしていた“背景”が、続篇の登場で明確になる可能性があること――まあ、それも踏まえて挑んだのだ、と信じましょう。実際のところ、続篇の評判は上々みたいですし。

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