現在、ユナイテッド・シネマアクアシティお台場で、爆音映画祭を実施しています。なにかいいのやってるかしら、とラインナップを確認したら、これは、というのがひとつあった。発見した時点でチケットの購入が可能だったので、すぐさま確保。ここで8日の20時15分からのスケジュールが確定した。
しかし、このくらいの時間なら、その前にもう1本くらい観られそうな気がする。そう思って色々調べた結果――だいぶリスキーなハシゴを組んでしまいました。雨が降ると途端に移動が面倒くさくなるので、晴れることを空に祈る。
当日になってみたら、スッキリと晴れ渡ってはいないけれど、とりあえず夜までは保ちそう。午前中にある程度諸々片付けて、仮眠を摂ってからバイクにてお出かけ。まずは、8月以来のTOHOシネマズ日比谷です。
……が、ここで思わぬ足止めを食ってしまった。いちばん最初に狙う、もっともリーズナブルな駐車場が埋まっているのはまあ想定内。すぐに2番手の駐車場に向かったのですが、こっちまでまさかの満杯。しかも駐車場に入ってから判明したので、いっかい潜ってからまた外に出て、大回りをして、奥の手で残していた駐車場によーやく突っ込むことに。
奥の手、というのは、映画館が入っている東京ミッドタウン日比谷地下駐車場です。なんで奥の手かというと……シンプルに高い。1時間200円、しかも割引を受けるためにはミッドタウンのなかでだいぶ買い物をしなければならず、映画1本見ただけでは無料どころか1時間ぶんも引いてくれないのです。それ故にバイクの駐車エリアはガラガラでした……ちょっとは割引率を考えてくれないと、却ってスペースの無駄だと思うんだけど。
派手に回り道をしたせいでだいぶ時間が危なかったのですが、飲み物を買う時間を省略したのが幸いして、本篇ギリギリでスクリーンに辿り着くことが出来ました。
どーにか無事に全篇観ることが出来た本日1本目は、マーヴェルでも屈指の人気を誇る異色のヴィランをフィーチャーした『ヴェノム(字幕・3D・IMAX)』(Sony Pictures Entertainment配給)。
予告の時点でぜったいに私好みだ、と確信していたのですが、もう案の定、大好物でした。SFホラー的なテイストで“ヴェノム”と主人公の接触までを描き、その特異な生態を活かしたアクションをたっぷりと見せつけたあと、意外な方向へと物語はなだれ込んでいく。サム・ライミ監督版の『スパイダーマン3』では得体の知れない悪魔みたいな扱いゆえに、人気のキャラ、と言われてもちょっとしっくり来なかったのですが、これなら納得できる。怖さもあるけれど、背徳的な爽快感のある、他のマーヴェル・コミック作品とは一線を画した魅力のある作品でした。現在のマーヴェル・シネティック・ユニヴァースに合流する予定はいまのところなさそうな内容でしたが、むしろ別個のシリーズとして続けて欲しい。
鑑賞後は取り急ぎ日比谷を離れることに。ちなみに駐車料金は600円でした……乗用車と比べれば安いのは確かですけど、基本ひとり、頑張っても2人しか乗れず荷物も積めないバイク相手なんですから、もーちょっと容赦してくれんもんか。
暗くなっても、築地から豊洲あたりまでの道程はまだまだ混んでいる。しかし豊洲市場前を過ぎると、一気に走りやすくなります。お台場アクアシティも、ひとつめの駐車場はいっぱいで、周りの歩道にもバイクが溢れかえってる始末ですが、このあいだ発見したもうひとつの駐車場所はやっぱりちょこっと余裕がある。たぶんあんまり気づかれていないのでしょう。だから、どこのことなのかは詳しく書きません。
映画まではまだ間があるので、今のうちに夕食です。近ごろすっかり、出先ではラーメンを食べるのがルーティンみたいになってます。アクアシティ5階にある東京ラーメン国技館 舞に赴き、ここに出店しているなかから、今日は頑者NEXTLEVELの特製濃厚海老豚骨つけめんをチョイス。どーも私は海老の絡んだ味が好みらしい。
食後はいよいよユナイテッド・シネマアクアシティお台場にて、本日のお目当てです。爆音映画祭のプロデューサーである樋口泰人氏の挨拶を挟んで上映されたのは、アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の傑作を『エクソシスト』『フレンチ・コネクション』のウィリアム・フリードキン監督がリメイク、紆余曲折を経て40年振りに本来の姿での劇場公開となった幻の傑作『恐怖の報酬【オリジナル完全版】(1977)(爆音上映)』(コピアポア・フィルム配給)です。本公開は今月24日からですが、樋口氏にどうやら遺恨があったようで、この爆音映画祭にて1回限定での先行上映となったわけです。もともと観てみたかったのと、爆音上映自体が未体験だったので、せっかくですからこれで試してみた。
とりあえず、爆音上映の魅力は理解できたように思います。確かに、効果音がとても鮮明に聴こえるので、映画の立体感、臨場感が増します。爆音、という響きに尻込みしますが、そんなに耳を聾するような激しさではなく、音の表現がとても繊細になっている。たぶんもともとの映画の古さも影響しているのでしょう、BGMがちょっと聞き取りづらい嫌味はありましたが、このスタイルの上映には合っている作品だと思う。
そして肝心の作品ですが、なるほどこれは面白い。クルーゾー監督版は心理サスペンスの趣があったんですが、こちらは序盤のエピソードの組み立てによって、ノワール的な味付けを施している。描写をより埃っぽく、そしてグロテスクにしながらも、物語の備える緊張感、強烈なインパクトを新たにしてます。随所でクルーゾー版のモチーフを引用しつつも、ひねりを利かせていて、つい先日あちらを観ていても楽しめる。クルーゾー版より評価する声もあるそうですが、それも納得の傑作でした。
鑑賞後はまっすぐ帰宅……しかし、こんな時間になると、主要幹線道路でやたらと工事を始めるのが困りものです。遅い時間ほど不慣れな道は危ないので、よく知る道を選んでるはずなんですが、行きよりも時間がかかった気がします……。
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