『いぬやしき』試写会at日本教育会館 一ツ橋ホール。

 あまりにも当たらないのと、封切りあとでもいいや、という気分になることが増えたせいで、このところ試写会のプレゼントに応募することが減ってました。しなかったわけではないですが、総数が減ってますから当たる回数は更に減る。そういうわけで、ほんとーに久しぶりに、懸賞に当選して得たチケットで、試写会を観てきました。

 会場は、神保町にある日本教育会館 一ツ橋ホールです。前にも来たことあったよな、と思って調べてみたら、『ロッキー・ザ・ファイナル』のときですから、実に11年前でした……。

 鑑賞したのは、『GANTZ』の奥浩哉原作×佐藤信介監督のコンビと、16年振りの映画主演となる木梨憲武に悪役初挑戦の佐藤健という面々で、期せずして機械の身体を手に入れた老人と高校生との死闘を描くSFアクションいぬやしき』(東宝配給)

 原作未読ですが、ずっと流れていた予告篇のヴィジュアルに惹かれて、ちょっと期待してました。何より、実は凄まじい才人だ、と思っている木梨憲武の主演なので、必ず観るつもりだったのです。

 期待通り、タイトルロールである木梨の演技の幅が活きている作品。序盤のあまりにも哀れな佇まいと、突如訪れた身体の異変に戸惑う様から、終盤のどこか躊躇いがちだけど堂々とした立ち姿と、変化していく主人公の心情を、コント仕込みの多彩な表情で演じきっている。対する佐藤健の、喜怒哀楽の乏しい表情が醸しだす危うい間もいい。

 ドラマ的には、もーちょっと凝ったことをやってくれてもいいのでは? と思いもしましたが、それでもきちんと描写にきちんと筋が通っていて好感度は高い。シンプルではありますが、犬屋敷と獅子神、それぞれに異なる行動原理をちゃんと形成していて、対決における言動にも説得力がある。

 そして終盤、新宿上空を舞台とした空中戦はかなり見応えあります。それこそハリウッドのヒーローものと比べるとボリューム不足、という感は否めないながら、邦画としてはかなりの領とクオリティ。スピード感については海外の大作にひけを取らないと思う。

 もうひと匙、魅力が欲しかった気はするんですが、エンタテインメントとして充分な仕上がり。惜しむらくは……会場が古いせいか、音響の質がやや良くないこと。一般公開は明後日から、まだフリーパスが有効なので、もっとコンディションのいい劇場で観直してもいいかな、と思うくらいには面白かった。

 ……さて、次に試写会が当たるのはいつのことやら。そもそも近ごろは懸賞を探すのもめんどくなっているので、今年はもうないかも知れない。いやほんとに。

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