先週の木曜日、日比谷で当初観る予定だった作品は、その日、私が行くつもりだった回が最終回だった、とあとで気づきました。うわやっちまった、と冷や汗を掻き掻き、慌てて上映予定を調べてみると――辛うじて新宿シネマカリテでムーヴオーヴァーをやっている。もうここしかない。
ただし、上映時間は18時からの1回だけ。そういうわけで、夕方から電車に乗ってお出かけです。
鑑賞したのは、ダリオ・アルジェントの伝説的ホラー映画を、『君の名前で僕を呼んで』が世界的に高く評価されたルカ・グァダニーノ監督が“再構築”、1970年代のドイツに舞台を移し、女性ばかりの舞踏団を襲う怪奇を描きだした『サスペリア(2018)』(GAGA配給)。
凄まじく芸術性を増した『サスペリア』でした。全篇、異常なくらい絵になってる。確かにエッセンスはふんだんに鏤められていて『サスペリア』の息吹ははっきりと感じられますが、明らかに洗練されている。現象が抽象的なので、ピンとこない人は最後まで置いてけぼりにされる可能性も高いのですが、オカルトのムードは満点。観る人を激しく選ぶでしょうが、特異なレベルに登りつめた傑作――というか怪作。本質を理解するためには何度か観る必要がありそう。
鑑賞後は電車を乗り継いで本駒込まで赴き、四代目けいすけで夕食。ここの伊勢海老の滴が無性に食べたくなって、いまの弱った足腰にはきつい遠まわりを強いていったのですが、もしかしたら無視が知らせたのかも知れません。
来月半ばで四代目としての営業を終了し、同じ店舗で初代けいすけが復活するんだそうです。
けいすけの系列は基本的に店舗ごとにメニューが違う。なので必然的に、私がハマってしまったここのつけ麺も、メニューとしてはなくなるようです。
初代の味はいま食べられるところがないので、それはそれで興味はあるんですが、私にとっては気に入って通い詰めた味が1年でなくなってしまうわけで。今日も変わらず美味しかったんですが、帰りは妙に悄然としてしまったのでした。四代目として営業してるあいだに、あと1、2回は足を運ばないとなー……。
コメント