意欲はあるけれどどーにも時間が確保出来ず、観たい映画がなかなか消化できません。週末のスケジュールを考えていたところ、これは押さえておきたい、と思っていた作品が、私の行きやすい劇場では7日でほぼ全滅、ということに気づき、慌てて出かけてきました。最近としては珍しく、家で夕食を摂ってからのお出かけです。
最終週はどこも20時以降に1回上映があるだけ、という状態だったので、それならば、と最も身近なTOHOシネマズ上野で鑑賞してきたのは、『セッション』『ラ・ラ・ランド』と立て続けにオスカー級の作品を発表してきたデイミアン・チャゼル監督最新作、人類史上最大のミッションを、その中心人物であるニール・アームストロングの視点に寄り添って描写した『ファースト・マン』(東宝東和配給)。
やたらと登場人物に近い目線で描くドキュメンタリー風のカメラワークと、随所にアームストロング自身の視点を交え、ドラマ性を保ちつつ観客に危険なミッションを疑似体験させる作り方。結果としてやたらアップが多いんですが、さすがに長篇第1作から高いセンスを発揮していただけあって、ほとんどのシーンがちゃんと絵になっている。テストとそれに伴う犠牲を重ね、本人も家族も精神的に追い込まれていく過程がかなり強烈。偉業を達成した安堵よりも、無事に帰還したことに意義があった、と伝える静かなラストも沁みます。映画体験を創造するクリエイターとしての底力をみたび見せつけてくれた1本。果たして次は何を仕掛けてくるのやら。
……ただ惜しむらくは、映像の質が高いだけに、出来ればIMAXで観たかった。まさかあんなにあっさり撤退するとは思ってなかったんです……なにせ、久々に現れた怪物『ボヘミアン・ラプソディ』にいつまでもIMAXスクリーンを占拠され、直後に日本人期待の『アリータ:バトル・エンジェル』が出て来てしまったために、追い出されてしまったみたいな格好なのです。導入に費用がかかるのも解りますが、やっぱしIMAXスクリーンはもっとたくさんあったほうがいいと思う……。
コメント