時間は取り戻せる、たぶん。

 今週も観たい作品が封切られてます。そのうち2本は、叶うことならハシゴしたい、と願っていたのですが、どーにか可能な時間割が見つかりました。そんなわけで、本日は夕方からのお出かけです。

 行き先は新宿、陽気がいいのでバイクが気持ちいい……のでしょうけれど、駐車場が空いてないと大変だし、恐らく何処に駐めても最終的な料金がけっこうかかるはずで、安全策を優先して、電車を使いました。歩きが長くなりますが、バイクでも駐車場次第ではもっと長く歩く羽目になるし。

 最初の目的地は、今年2度目の新宿シネマカリテ。鑑賞したのは、『続・夕陽のガンマン』のロケ地を蘇らせようとする愛好家たちの情熱を追ったドキュメンタリーサッドヒルを掘り返せ』(HARK配給)

 ほんとに、ただあの傑作を愛する人が作品の魅力を語り、埋もれてしまったロケ地を掘り返す、それだけなんですけど、それだけのことがなんて多幸感に満ちていることか。50年近く放置されていたロケ地は荒廃していて、発掘には想像以上の手間がかかるのですが、その苦労を語るさまも楽しそう。そして訪れるカタルシス。ああ私も一緒にスコップを持って行きたかったよ、と思ってしまう1本。

 続いて向かったのは、TOHOシネマズ新宿。こちらは今年初です。日本橋がまだ完全復活してないので、午前十時の映画祭9で足を運んでもいいようなものですが、交通費とか駐車場の問題とかで、どーしても二の足を踏んでしまうのです。サッドヒルの上映がシネマカリテ以外でやってたら、きっと今年はまだ来なかった。

 本日2本目は、もはや生きる伝説と化したクリント・イーストウッド久々の監督&主演作、実在した麻薬の運び人に扮し、その奇妙な犯行ぶりを描いた<『運び屋』(Warner Bros.配給)

 全篇、貫禄で出来てるような1本。そりゃあ自分で演じたくなるだろうよ、と思わせる主人公の飄々としてギャングをあしらう格好良さと、しかし家族としてはあまりにも不器用な佇まいの対照がかなり沁みる。運び屋であること以外は何もしていないに等しいのですが、その生き様がギャングや麻薬取締局の思惑と交錯することできちんとドラマとして収束していく。派手さはないのに終始魅せられ、ある意味では幸福な結末が静かに響く作品でした。『グラン・トリノ』の結末でもう俳優としては納得してしまったのかなー、と思ってましたが、この感じだと、また演じたい役が出てくれば再登板はあるな。

 ……というわけで、クリント・イーストウッドを堪能する2本立てでありました。内容自体もよくかったので、ひたすらに幸せ。

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