新元号への移行があるから、とか関係なく、ゴールデンウィークは家の周囲からして人出が多すぎるので、あんまり出かける気がしないのですが、それでもこれは興味があったので、母と出かけてきました。文京区、東大のそばにある弥生美術館で催されている企画展、“ニッポン制服百年史”です。
決して変な関心から描くのでなく、どのように制服が誕生し、どのような過程でポップカルチャーの一翼を担うようになっていったか、を資料によって辿る、面白いけど真面目な内容。趣旨に賛同してもらえたが故か、ちゃんと実物の制服や、最近流行っているという各校の制服を着たリカちゃん人形なんてのまで展示されてます。
しかし個人的に度胆を抜かれたのは、日本で初めて洋風の制服を採用した、という山脇学園の制服です。いま見ても構造が完璧で言葉を失うほど。着用する年代の子が成長することを考慮してゆとりを設けながら、フォルムに隙がない。今となってはやや野暮ったさも感じますが、それでもいまなお採用されている、という事実も作りの見事さを証明している。
2階にはイラストレーターや漫画家の作品が多数展示されてます。コギャル文化を緻密に取材して執筆されていた『GALS!』の原稿や付録類、かとうれいや今日マチ子、和遥キナ、そして企画展のキーヴィジュアルも手懸けた江口寿史らの女子高生を題材としたショートコミックや一枚絵も。……1階の文化史的に追った展示も興味深いんですが、やっぱり実際に着用する子たちの日常や心情を織り込むようなこういう作品を見るのが楽しい。
弥生美術館といえば高畠華宵、3階には企画展に合わせるように乙女のポエムを題材にした展示内容になっている。隣接する竹久夢二美術館の展示もひととおり鑑賞してきました――実のところ、弥生美術館は何度か来ているので、夢二の展示については見覚えのあるものが多いので、あくまでさらっと。
受付では色々と関連書籍やグッズを販売してましたが、とりあえずこの企画展のベースになっている同題書籍だけ購入してきました……和遥キナの画集にむちゃくちゃ惹かれるんですが、まあそれはそのうちに。
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