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先月中旬に届いたのに、きっかけを掴めずなかなか観られずにいたレンタルDVDを、何度か区切りつつよーやく鑑賞。『海にかかる霧』のポン・ジュノ監督が2003年に発表した『殺人の追憶』です。社会が大きく変化しつつある当時、農村で発生した連続殺人が、刑事達を狂わせていく。
発表当時非常に評判が良かったので気になっていたのに観逃してしまった1本ですが……劇場で観ておきたかった。陰惨な話なのにヴィジュアルは美しく、計算された語り口故に物語としての牽引力も高い。当時の警察の軽率な振る舞いに苛立たされることもしばしばですが、次第に彼らが本気になっても掴むことが出来ない犯人像に、観ているこちらも焦燥に駆られる。
結末は非情に苦いものですが、終始詩情を湛えた映像と語り口故に、余韻は不思議と美しい。納得の名作でした……っていうか、これまでポン・ジュノ監督作品は『母なる証明』『海にかかる霧』と3本観てますが、ぜんぶ当たりだな。
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