第21回東京03単独公演「人間味風」 at ザ・ガーデンホール。

ザ・ガーデンホールエントランスの柱に掲示されたポスター。 既に昨日の話ですが、東京03の第21回単独公演「人間味風」を鑑賞してきました。<.br>
 この夏はほんとにイベントが多い――っていうか、もともとその気になれば行きたいところはたくさんあったのに、予算の都合とかでスルーしていたり、そもそもチケットが取れなかったりしていたのが、ライブビューイングやファンアプリの登場でにわかに足を運べる機会が増えた、という感じ。

 会場は恵比寿のザ・ガーデンホール。ここはすごーく使いやすい駐輪場があるので、出来ればバイクで行きたいところ……そんなわけで一昨日からず~っと天気予報を注視してました。前日までは五分五分くらいの様子でしたが、時間が近くなるにつれ保ちそうな陽気になってきたので、意を決してバイクを出しました。混雑を警戒して少し早めに出かけたら、案の定引っかかりはしたものの、概ね問題なく、そして久々にも拘わらず迷うことなく到着。駐輪場の入口が解らなくて、いっかいガーデンプレイスを1周しちゃったけど。

 とりあえずグッズ売り場まではすぐに入れたので、とりあえず目当てのものをわしわしと購入。タイミング良く、わりあい懐はあたたかめだったので、これまでになくたくさん買いました。買った映像ソフトの会場特典として貰ったトートバッグに詰めこんで、その状態で鞄に押し込んで、開場まで待機。

 会場となったザ・ガーデンホール、ここでライブを観るのは初めてですが、実は私はほぼ15年振りの来訪だったりする。前に来たときは『トゥー・ブラザーズ』という映画の試写会でした。なんでそんなに鮮明に覚えてるかって、映画の内容よりも、予定よりも開映が遅くなった理由が、叶姉妹の遅刻だったから。

 そしていよいよ開演です――たとえばバナナマンのライブとかなら、詳細な感想をアップするのは千秋楽まで待ったのですが、東京03の単独公演は基本ツアー、今回も12月までかけて全国各地を巡ることになっているので、待ってるうちにアップすること自体忘れかねません。なので、例によってスペースをいっぱい挿入しておきます。これからライブに行く予定がある、映像ソフトや配信で鑑賞するまで内容を知りたくない方は避けてください。

 今回も大竹元マネージャー作曲・演奏のインストによる前奏を挟んでの1本目は“部長のいい話”。相変わらず、初手から着眼点が巧い。なんとなく誰にも覚えのあるシチュエーションがしっかりコントと化してます。感心するのは、3人板付きから始まって、話が進むと一部、角田さんだけが残る場面があるのですが、そこでの何気ない仕草が笑いを誘う仕掛けになっていること。笑いながら、のっけから「巧いな~」と呟いてました。

 続いて例によって角田さん作曲・演奏のオープニング。03のライブは毎回、幕間映像でニイルセンというイラストレーターの方が絵を描く過程を撮影、それを重ねて構成するアニメーションを挿入しているのですが、今回はオープニングでこれをやっている。毎回「すげー」と思いますが、今回は特にスゴかった。角田さんの歌じたいのネタとしての完成度を見事に助けていて、しかも映像が格好いい。

 主題歌を挟んでの2本目は“開店祝い”。これも、見過ごしがちですがわりあいありがちな出来事、感情をうまくネタにしている。パンフレットによれば、飯塚さんが台本を書いた段階で膨らませたかったらしい角田さんの台詞回しが、この2回目の上演で既に仕上がってます。

 続く幕間映像は、先行するネタを受けての、架空の映画予告篇ふうの作りになっている。舞台でのネタの受け止め方が絶妙です。そして、出演している女の子がまたハマっている。

 3本目は“満を持して”。これまた割と日常ではよくあるシチュエーションを、3人の掛け合いで巧みに展開している。しかしこのネタ、台本のクオリティ以上に三者の間が巧く噛み合わないと笑いに繋がらない。最大のきっかけは例によって角田さんが作ってますが、それを絶妙に処理する飯塚さん、明後日に振り回す豊本さん、と3人の基本的な役回りが綺麗に繋がっていくネタでした。

 ここでの幕間映像はテキスト表示のみのネタ。これも直前のネタを受けての内容ですが、

 4本目は“余計な感情”。これは日常、というより、芝居をやっているひとならではの着眼が光るネタ。ただ観客側でも確かにありそうだ、と感じる話ですし、それをネタとして成立させるためには極めて高い演技力が必要……なんだけど、ある意味では演技しなくてもいいのかも知れない。そういうところまで含めて笑えます。

 次の幕間映像は、たぶん今回いちばん予算がかかってます。どう見てもまともなドラマ1本作るくらいのひとを動員している。これを観たあと、普通にドラマを観ることが出来なくなるかも。

 5本目は“恥ずかしいはずの話”。これは着眼点、というより、普通なら笑いにならない、それどころか冷めてしまう展開を笑いに昇華してしまっている。パンフレットによるとこれは豊本さんのふだんの言動がベースになっているらしく、珍しく飯塚さんが台詞の書き直しを豊本さんに求めたんだとか。道理でリアル。

 続いての幕間映像は歌ネタ。先に出て来たネタを一緒くたにしてもういちど掘り下げる手管で攻めてきます。

 6本目は“浮気相手と”。東京03にしては珍しい、比較的短いネタ。実は個人的に、途中で読めてしまったんですが、それ故に却って笑ってしまいました。角田さんのとことん人間のクズみたいな物言いも秀逸ですが、それに乗っている豊本さんが出色。

 オーラス前の幕間映像はいつものお約束で、歌に乗せたグッズ紹介。ですが今回は特に凝っている。先行する幕間映像と繋げて、やたら込み入ってます。途中で飯塚さんがツッコんでますが、ここは東京03よりも角田さんの相方を務めている女の子がいい味を出してました。

 そして大トリは、うっかりタイトルをチェックし忘れました(パンフレットにも書いてない)が、いつも通り放送作家オークラによる長篇。全体のドラマがあって、その枠内でしか出来ないネタをとことん繰り広げていく、というのはいつも通りなんですが、おかしかったのは、途中での飯塚さんのスイッチが入ってしまうくだり。近年の名作“小芝居”もそうですが、このひとたちの演技力があって成立するネタこそ東京03の本領だと思うのです。毎回、それをしっかり理解したネタをぶち込んでくるオークラもさすが。

 以上、約2時間。今回も大満足の仕上がりでした。ちなみにファンアプリでは早くも、12月に予定されている追加公演の抽選受付が始まってますが……どうしよう。見やすさもあって、追加公演はライブビューイングを選びたいんですが、近ごろは「生で観るに越したことはない」とも思い始めている。そして、そう思わせてくれるくらいに、東京03のライブはハズレがない。どちらにせよ、たぶん追加公演も観ます、どっちかのかたちで。

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