3度目の出雲大社、そして初めての日御碕神社。
旅行3日目、松江怪喜宴6の2日目は酒林堂八雲の初日。しかしそちらは夕方18時の開場なので、早めに着くにも時間がある。それ故に、この日にこそ、と考えていたところまで足を運ぶことに。
今朝も早めに起床、食事を済ませると、松江しんじ湖温泉駅へ。毎年お世話になっている縁結びパーフェクトチケットを購入して一畑電車に乗ります。
一畑電車名物、一畑口のスイッチバックをやり過ごして (ほんとはここで降りて一畑薬師にもお詣りしたいんですが如何せん予定が組みにくい)、川跡駅で乗り換え、電鉄大社駅で下車。まずは、前に授かったお守りをお返しして、改めてお詣りしてきました。
初めてお詣りしたときは、正しい順路を考慮せず、でもじっくりと隅々までお詣りしたのですが、今回は公共交通機関の都合もあって時間は限られている。ひととおり用事を済ませたら、正門には向かわず脇道から観光センターのほうへ向かい、連絡通路を抜けてバス停へ。
乗り込んだバスが向かうのは、日本海側に建つ日御碕灯台です。私の目的地はその手前、日御碕神社。実は由緒が出雲大社と繋がっており、足を運ぶべきだ、と何度も言われ、私自身かねがね行かなければ、と思っていた。以前はこの出雲大社からのバスが繋がってない、と勘違いしていて、そのうち何とかバイクでここにたどり着かなきゃ参拝は無理だな、と考えてたんですが、今回ちゃんと調べてみたら、バスの路線はある……ただし本数はやっぱり少ない。夕方からのメインイベントのことや、その前に食べたい昼飯のことも考慮した結果、けっこうタイトなスケジュールになってしまいました。
ともあれ、念願の日御碕神社に何とか到着。
ほぼ完全に観光地化された出雲大社と違い、一見したところは素朴な佇まい。しかし、その年季を窺わせる堂宇にはいずれも威厳に満ちている。こちらでもお詣りをし、御朱印をお願いしました。
これで日御碕灯台まで足を運ぼう、とか思ってしまうとまた更にタイトなんですが、そこまでやっちゃうと夜まで身体が保たない。 出雲大社で急いたぶんも、ここでは出来るだけすべてのお社にお詣りしました。ちなみに私、きのうの松江怪談談義で購入した松江怪喜宴6のTシャツを着てたんですが、正面のデザインは狐。日御碕神社のたぶんいちばん奥にあるお社は、稲荷神社……きて正解だったようです。
ほとんどの堂宇が国宝、という由緒正しい神社とはいえ、お詣りにはそれほど時間はかからない。ずっと歩きずくめでさすがに脚が重くなってきたので、停留所前の休憩所で、アイスコーヒーを注文して喉の渇きを潤し当分も補充。少し落ち着くと、にわかに「もっと間近で海が見たい!!」という気分になり、バス到着までの短い時間を利用して少し歩き、集落のあいだの細い路地を通って、日本海としばし向き合う。ちょうど右手に、日御碕神社のもととなるお社があったと言われ、今では日御碕神社の神主のみ例大祭のときにだけ上陸している、という経島らしき島の鳥居が見えたので、軽くお辞儀をし、それから急いで引き返す。
帰りのバスは出雲市の中心まで行くバスに乗れたので、そのまま電鉄大社駅前の停留所まで乗り、ふたたび一畑電車に乗車。一畑電車も行き先によって乗り換えが必要な、ちょっと厄介な路線なんですが、これも松江しんじ湖温泉駅まで直行する便を捕まえられたので、そのまんま終着駅まで乗車――せずに、1個手前の松江イングリッシュガーデン前で途中下車。
実はこれも、今回是非行きたい場所があったからなのです。謎の施設の室外機が熱を放出する小道を通り、大通りを渡ったところに、松江界隈では有名なうなぎ料理店 大はかやというお店がある。毎年のように松江怪喜宴で訪れるようになって以来、どこか美味しいお店でうなぎを食べるのが夢だったのですが、ようやく、ようやく食べられる日が来たのです。エスカレーターつきの歩道橋が整備中とかで閉鎖されているため、信号も横断歩道もない通りを、既にエネルギー切れ直前の脚に鞭打って無理矢理走って渡り、お店の前へ――
――完売のため閉店、って書いてあった。
実のところ、多少は覚悟していました。この店はお昼と夕方からの二部制ですが、お昼は14時15分まで。しかも完売次第閉店、とあるので、タイミング的には想定できた出来事でした……とはいえ、さすがに若干膝に来る。
もし閉まっていたなら、うなぎに投じるつもりだったお金でタクシーを呼んで、ホテルの部屋で倹しく済ませるか、と思っていた。とはいえすぐには動けず、未練がましく周囲を見ていたら、女性に「お食事ですか?」と声をかけられた。
素性は訊ねませんでしたが、たぶん関係者だったのでしょう。店内に声をかけて、通してくださいました。
かくして、4年越しの念願だった松江のうな丼によーやくありつきました。このお店は炭火焼きで、表面は香ばしく、しかし身はふんわりと焼いてある。ご飯へのタレの染みこみも程よく、ご飯の軟らかさとうなぎの柔らかさと炭火で強調された風味がたっぷりと堪能出来る。噂通り、実に美味しかった。
結果としてはすぐにお店に通して貰えたお陰で、次の便が来るまでちょっと余裕がある。無料らしいので、駅名にもなっている松江イングリッシュガーデンを少し覗いてみるか、と足を向けてみた。
改装中でした。
……道理で、駅から大通りを越えるためにいちばん使い勝手のいい歩道橋が整備中だったわけだ。しょうがないので駅まで直行し、駅周囲の光景を眺めたり写真に撮ったりして時間を潰しました。駅名にある庭園と大はかやを除けば、ほんとに田圃と民家しかありません。駅舎も小さな待合室があるだけ。空調すらないので、もはや割り切って、ホームの上でしばし陽射しに炙られて次の便を待つのでした。
ホテルにいちど戻り、シャワーで汗を流したあと、いよいよ松江怪喜宴の2日目、酒林堂八雲2の初日です。
既に公演を堪能してホテルに戻った状態ですが、公演冒頭の諸注意で「感想はいいけどネタばらしはやめてね」と釘を刺されたので、こちらの詳細は明日以降、千秋楽が済んでからアップします。今から書き始めはしますけど。
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