本日は、毎年恒例のイベントが始まる日です。故に新宿へ……せっかく行くんだから映画も1本観とこう、と思うのはフリーパスか使える今ならなおさら当然のことなのです。
ただ、ちょっと出かけるのが遅かった。バイクを使ったのですが、いざ現地に着いてみたら、いちばん安くて使いやすいところは満杯、ちょっと高いけどより利便性のあるTOHOシネマズ新宿の地下も埋まっている。ここでもう時間はギリギリ、確実に駐められてかつ手頃な価格で使えるのは……1km先。
バイクを駐め、TOHOシネマズ新宿まで戻ってきたときにはもう上映開始時刻。まあ、本篇が観られればいいか……と思いきや、ここでよもやの、お目当ての作品は無料枠打ち止め。最悪、本命のイベント開始時間まで無為に過ごすことも覚悟してましたが、万一のために考えていた第2候補はまだ間に合ったので、そちらを観ることに。
そんなわけで今日は、ろくすっぽ下調べもしてなかった1本を観ました。押見修造の伝説的コミックを実写映画化、出来心でしでかしたことを同級生の女子に目撃されたことから、常軌を逸した“変態性”を開眼させられる少年の遍歴を描く『惡の華』(PHANTOM FILM配給)。
ほんとーに万一のために候補に入れてただけなので、観る前にちょっとだけ検索をかけました。漫画の存在もアニメ版の存在も知っていて、ほんのりと雰囲気は知ってましたが、監督が井口昇、脚本が岡田麿里と書いてあって、一気に腑に落ちた。本篇を観てみたら、まさにこの布陣らしい内容。青春のどぎつい面を誇張していて特異に映るけれど、本質的にはどこにでもいる、誰にでもありうる鬱屈を、想定外の成り行きでこじらせてしまった男の子と女の子の話です。私の場合、ここまでこじらせたことはなかったので、基本的には冷静に分析して鑑賞してしまったのですが、似たような感覚を持っていたひとには相当刺さる作品だと思う。ちなみにこの作品のMVPは、主人公を演じた伊藤健太郎よりも、不気味でかつキュートなヒロインを好演した玉城ティナよりも、2人に振り回される秋田汐梨だと思う。中盤以降の振り切れっぷりが素晴らしい。
もうちょっとテンポが良ければ、とか、まだ振り絞るところあったんじゃない? と思う部分もあれど、基本的には大満足でした。たぶんフリーパスじゃなかったら観てなかったと思う……チケット、先に買ってただろうし。
鑑賞後、いよいよ今日の本命のイベントへ――ここからは項を変えます。
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