今年2本目の、再鑑賞。

『ウォッチメン』ふたたび。

 昨日、映画『ウォッチメン』原作のグラフィック・ノヴェルを読み終わり、違いと共通点とをちゃんと確認したくなって、今年は『チェ 28歳の革命』以来となる2度目の鑑賞へ。

 ほぼ原作通り、という話だったのですが、いざ較べてみると、けっこう重要なポイントが違っている。原作ではエドワード・ブレイク=コメディアンの死んだ場面からいきなり始まっているのに対し、映画ではエドワードと犯人との格闘から描き、そのあとのオープニング・クレジットのところで、原作においては台詞や雑誌記事といった体裁で綴られていたかつてのヒーローたちの姿をストップモーションで映像にする。

 このあたりは映画ならではの表現の変更、圧縮という程度です。驚いたのは、クライマックスのある部分がまるで違っていた。

 しかしこれは、決して原作の意図を損なっていないし、むしろ主題をより深いものにしていると言える。また原作で構築したあのクライマックスは、グラフィック・ノヴェルならではの表現手法によって盛り込まれた要素を積み上げてこそ可能だったわけで、映画では同じように埋め込むことは難しい。アイディアとしての洗練度も映画のほうが上回っていると思います。併せてクライマックスの展開も僅かに変わっているとは言い条、その辺についても映画のほうが苦みを強めていていい。

 やっぱり予告編込みで3時間はちょっと長い、という気はしますが、原作を読んだあとだと確かに変えたところまで含めてその精神に忠実な、完璧に近い映画化ですし、2回観ても充分に楽しめたのだから、傑作と呼んでいいと思います。

 ……それにしても、再鑑賞だと詳しい感想を書く必要がないので、とっても気楽だ――と思っていたのに、けっきょく簡単にだけど書いちゃったな。

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