『33分探偵』#09

 毎回ただただ「面白い」としか書けなくなってきていたので感想はアップしなくなってましたが、最終回なのでまとめも兼ねて。

 回を追うにつれて無茶も出て来ましたが、最後まで「お約束を用意して、それをひねって活かす」という基本を押さえ、ミステリの定番要素も巧く組み込んだ、実にマニア心に訴えかける良作でした。

 しかしこの最終回で感心したのは、謎解きのひと幕です。このシリーズに似つかわしくない、やけにシリアスなくだりがあったと思えば、まさかあのお約束でこんな深いことを語ろうとは。はじめからこれを狙っていたとしたら凄い。

 このまんまで終わったら問題だろ−、と思っていたら案の定でしたが、実はその案の定の部分の読みが違っていたのが個人的には悔しかった。私は眼鏡だと思ったんだが……そのほうが33分探偵らしかった気もするんですが、まあそんなのは些細な問題です。

 名作ミステリのネタを無頓着にバラしすぎているのが引っ掛かりましたが、この作りからするとむしろマニアから非難されるのは先刻承知だったのでは、と感じます。その点も含めて、緩さを前面に押し出しつつも妙な緻密さを備えた、いいドラマでした。可能なら第2期もやって欲しい。そして「ごーろごろ」を超えるネタを見せてくれーっ!

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