『苺ましまろ オリジナルビデオアニメーション』Vol.1 『けしき。』

 観ているテレビアニメの感想を大半書いているのに、OVAはスルーというのも妙なので、同様に感想をアップしてみる。

 春先のある1日。伸恵は新しいアルバイトの面接準備に忙しい。美羽は千佳のおでこに発射ボタンを書いたり、逆に自分の額に同じマークを書いて先生に「押して」と要求したり、相変わらず無茶苦茶。アナは、日本語が喋れない、というクラスメイト相手のメッキが剥がれつつある……

 すまん、粗筋書こうとしたが駄目だった。筋がないのに書けるかあっ! テレビ版のときからあまり焦点のない話運びをしていましたが、ビデオオリジナルになってその傾向を更に加速させたようです。いちおう長い尺を利用したネタはありますが、全体を束ねるようなものではなく、ひたすらにひたすらに、ちょっとずれた女の子たちのゆる〜い日常を描いているだけ。あまりの話のなさに憤る人もいるでしょうが、原作の一側面を徹底的に掘り下げた作りは評価されて然るべきだと思います。

 テレビ版では省力化されていた作画も、アップを中心にかなり補強されている印象。告知などで観た絵はちょっと微妙、という気がしていたのですが、ちゃんと動かせるように配慮しながら、原作に近づけているぶん、実際にアニメーションとして観ると、思いのほか好感を覚えました。

 本当に終始ぬる〜いだけの話なので、ファンでない人、雰囲気だけの話が許せない人には楽しめないでしょうけれど、その徹底ぶりは見事ですし、作画・演出の質も高い。その意欲に対する投資と思えば……でもやっぱり税込6,090円はきついわね。

コメント

  1. きばやーし より:

    飯の時間にテレビで(Mステ)「お兄ちゃん」と妹風に、あらゆるパターンで1200回だけ収録されたCDが10000万枚越のヒットしているとやっているのを観て、ああ、何でも需要ってあるもんなんだなあと思いました。これも徹底しているといえば徹底してるんでしょうねえ。

  2. tuckf より:

    さすがにほぼ全国民レベルでは売れてねえだろ、というツッコミはお約束として。
    そのCDの存在は知ってましたが、需要というよりは怖いもの見たさ(聴きたさ)を誘う企画力がその数字に反映された、とみるべきでしょう。確か続編で『お叱りCD』なんてのも出てました。

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