冷え込みの激しい朝ながら、いつものごとくはやばやと家を出て日比谷へ。本日は舞台挨拶つきの回なので、混み合う前に入場しようとやや急いで動いたのですが、早すぎて開場すらしていませんでした。仕方なく劇場の窓口前で本を読みながらしばらく待つ。開場後も素速く行動したので、列が出来る前にプログラムや飲み物を確保できました。……だんだん場慣れしてきている気がするがいいのか俺。
本日鑑賞したのは、『Shall We ダンス?』の周防正行監督、実に11年振りの最新作であり、痴漢冤罪を軸に日本の司法制度の問題点を抉った社会派エンタテインメント『それでもボクはやってない』(東宝・配給)。試写や先行上映の感想から期待が高まっていましたが、いっさい裏切らぬ見事な完成度でした。裁判の流れを緻密に理解して丹念に整頓し、疎い人にも解り易いようにシンプルに明確に描き問題提起をきちんと果たしながら、娯楽映画としても傑出している。2時間23分という長めの尺を意識させない大傑作でした。私にとって今年初めての邦画がこれだったのは重畳でした。詳しい感想は、「ピーボくんに八つ当たりはやめましょう。」からどうぞ。
上映後の舞台挨拶、登壇したのは主演の加瀬亮ほか、瀬戸朝香、もたいまさこ、役所広司に周防正行監督の5名。やはり監督にとって11年振りの新作となったことがまず話題となったのです、が、その前に周防監督が儀式として、壇上から初回に訪れた観客の姿を、私物のカメラで撮影するというひと幕が。しかし本日の劇場であるシャンテ・シネはどのスクリーンもやや小さめで、壇上がけっこう狭い。スクリーンに頭がくっつくほど下がっても全員が入らず、左右に振り分けても前方端の人が入らない、と悔しがっておられました。
内容が内容であるだけに、現場では監督も出演者も真剣であり、また出演者は「凄い作品に出ているんだ」という自覚があったようです。故にでしょう、それぞれの言葉に熱の感じられる、とてもいい舞台挨拶でした。……ただし、いちばん印象に残ったのは役所広司さんの締めの挨拶、「是非とも隣の方に薦めてください。そうしないと、『それでもボクはやってない』になってしまいますから」という言葉でした。隣で周防監督が本当に呆気に取られていたのが何とも。
観賞後は秋葉原に移動して、年末にお会いし損ねた某氏と一緒に昼食を摂る。このところお互い色々あったせいもあり、3時ぐらいまで延々と話し耽ってしまいました。お別れしたあと軽く買い物をしてから帰宅。いつもなら一眠りしたいところですが、感想に手間取りそうだったので、大人しくパソコンに向かってました。あいだにアニメ感想を挟むと、ほーらやっぱりこんな時間だ。
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