ネオ・ヴェネツィア初夏の代名詞であるアクア・アルタが訪れた。折しもこの日は、親しい人に一輪の薔薇を捧げる習わしのあるボッコロの日。灯里をいきなり呼び出した暁は、アリシアのために薔薇を買い占める手伝いをさせる……
……すんません、何度も言ってますが、この脚本家のかた、台詞回しが下手すぎます。余計な台詞を残しているしやたらと説明的だし、合わせたように演出の呼吸まで崩壊してしまうのは何とかしてもらえんもんでしょうか。冒頭、オープニング・テーマへの流れがぎこちない時点で厭な気配を感じてましたが、ほぼ予感通りのぎこちなさが全篇に蔓延してました。
原作では灯里と暁、アリシアにアリア社長と登場人物の限られていたエピソードに、御都合主義的にではありますが脇役もちゃんと出演させて膨らましていることは評価できます。特にこの話に藍華とアルを絡めた点は認めます。……でも台詞と演出のぎこちなさでほぼ帳消し。
作画のほうは省力化を図りつつ、ギャグ絵とシリアス絵を自在にコントロールすることである程度メリハリもつけているので、映像のほうは見ていて安心できます。あ、いや、ロングショットの暁の顔が崩れ気味だったか。しかし、大事な場面では相変わらず押さえていますので、その点ではこの作品はやっぱり良質です……でも灯里のナレーションはあの1/3で充分ですよ。あとは説明抜きで映像のみ見せた方が余韻は深い。恥ずかしい台詞がトレードマークの灯里でも、本当に感激したときにあれこれ喋らせては駄目ですって。
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