昨日は途中で気力が萎えてしまったので、書くつもりだったことをいったん取りやめてました。一日遅れながら追記します。
渋谷からひと駅だというのに、どうも恵比寿は“遠い場所”というイメージが自分のなかにあって、なかなか訪れる気になりません。常時稼働している映画館がガーデンシネマだけ、あとは企画があるときにだけ東京都写真美術館が定期上映を行っているという程度。昨年は二回恵比寿で映画を観ましたが、うち一本はガーデンホールでの試写会でした。子トラが可愛かった。
本当ならもっと訪れてもいいのに、と思うのは、数あるミニシアターなかでも恵比寿ガーデンシネマの上映作品には本当に“厳選”した、という趣があるから。少なくとも私は、ここで観てハズレだと感じた作品が一本もない。昨年は『25時』一本のみでしたが、その前年には『ボウリング・フォー・コロンバイン』、『テープ』、『クジラの島の少女』、『10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス』の四本を鑑賞していて、いずれも記憶に強く残っている。いま挙げたなかでDVDで買わなかったのが『クジラの島の少女』だけ、というあたりからも、私にとっての平均点の高さが察して頂けるはず(『クジラ〜』を買わなかったのは発売当時の予算の都合で、これも非常に好きな作品です。ナウシカだけど)。
そう感じるからか、予告編で流れる作品がとくに魅力的に見えてしまい、チラシを漁った挙句思わず前売券の購入を検討させられてしまう危険が高いのもこの劇場の特徴。昨日も大量に持ってきてしまいました。気になったものは鑑賞希望一覧に追加しておきましたが、なかでも楽しみなのは『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』のウェス・アンダーソン監督最新作『ライフ・アクアティック』(初夏公開)、インドネシアからやって来た爽快な青春グラフィティ『ビューティフル・デイズ』(3/5公開)、『悪い男』『春夏秋冬そして春』で韓国映画の枠を超え世界的な注目を集めるキム・ギドク監督最新作『サマリア』(陽春公開)、それと不思議なことに私は未だ一本もまともに観ていないウディ・アレン監督久々の新作『さよなら、さよならハリウッド』(陽春公開)……このへんが予告編で惹かれた作品群、ほかホールに並べてあったチラシで発見して気になった作品も数本。『サマリア』はキム・ギドク監督作品を観ておきたいという理由で前々からチェックを入れておいたのですが、予告編を観て本格的に気になりだし、鑑賞希望一覧で◎をつけてしまってます。
こんなに映画好きの心を擽る劇場もちょっと珍しい。VIRGIN TOHO CINEMAS六本木ヒルズもいい劇場ですが、あちらは設備とスクリーンの充実度ゆえであり、かかっている作品はロードショー作品中心で単館がぽつぽつ、という程度なので、ポイント制がなかったから通い詰めるところまでは行かないでしょう。純粋に内容面でのみ比較すれば、恵比寿ガーデンシネマのほうが格段に魅力的なのです。
……だからこそ、この気分的な“遠さ”が悩ましい。少々僻地にある、という認識がここまで番組の魅力を突き詰めさせているのだろう、と想像することも出来るのですが。とにもかくにも、今年は悔いを残さないために上に挙げた作品群ぐらいは観に行く所存。実は駅構内にあるうどん屋がけっこう美味しい、という発見もしたので若干弾みはついてるし――私の原動力は映画とうどんだったりする。
コメント