例年正月は却って出歩かないたちなのですが、昨年末に突如として出流そばが食べたくなったので、そのついでに初詣も済ませようと、午前十時頃、両親共々車に乗って栃木県は出流山満願寺へ。
東北自動車道を通っていったのですが、途中の佐野インター付近は恐らく厄除け大師を訪れる人たちなのでしょう、その手前までがやたらと混雑していて、インターを通り過ぎると途端に車の数が減ります。栃木で降り、一般車両さえすれ違うのが難しい細い道を延々と進み、石灰採掘場のある界隈を抜けてしばらくすると民家に混じって何軒もの蕎麦屋が立ち並ぶ一画に入る。そこからもう少し進めば満願寺……なのですが、そうでなくても細い道で行き止まりにある仏閣のうえに、厄除けの他交通安全の御利益があると謳っているためかあとからあとから車が来て、あと数百メートルから先になかなか進めない。お寺の山門前で警備員が立って巧みに誘導していたので混乱こそ生じていなかったけれど、出流山付近に着いてから中に入るまで四十分ぐらいかかってしまった。
時間がかかりそうだったので、様子見も兼ねて私は先に降りて、かるく写真を撮りに行った。この時間帯は陽射しがちょうど山の向こう側にあるせいで薄暗く、人出にも拘わらず厳粛な雰囲気がある――が、それをぶち壊すのは、先日の雪の名残。そんな感じであまり日が射さないせいで雪が溶けずにあちこちに残り、凍り付いて参拝客の足ばかりか車の動きさえ封じている。奥まで進むと木立に残った雪がときどき塊で降ってくるから更にたちが悪い。ひととおり様子を見てから山門の脇を抜けて車のところへ戻ると、間もなく駐車場が空いたので一同揃って寺のほうへ。
それにしても本当に人出が多い。前にこの時期訪れたときはここまで混雑はしていなかったはず――と考えてから思い出した。そのときは同じ一月、自分にとっての初詣でも松が明けるか明けるギリギリぐらいかで、お参りの最盛期は過ぎていたのだ。翻って今日あたりは、元日のんびりとしたあとで出かけてきた人、厄除け大師に行く気のしない近隣の人々が押し寄せる頃合いだったのだろう。家族連れの子供達が凍った積雪のうえで滑って遊んでいたり近くの高校の女子ハンドボール部だとかいう集団がジャージ姿できゃぴきゃぴと跳ねまわっていたり「充分ご縁があるように15円」と言い張っている女性がいたり、と人間観察しているだけでもけっこう楽しい。
お参りしたあと、お守りなどを購入。ここには生まれ年ごとに異なる仏を彫り込んだお守りを売っており、私の場合「文殊菩薩」だったのが妙に嬉しくて、前に入手して以来ずっと財布に入れてあったのですが、そろそろ傷んできたので今のには引退してもらって新しいものを入れておきたい、と思っていたのです。ついでにこちらも前に試してみたことのあるおみくじを引いてみる……………………信じるか信じないかはともかく、ちゃんと持っておこう。
参拝後、近くの蕎麦屋で食事、のつもりだったのですが、さすがにどこもかしこも満杯、というより従業員の能力を超えて詰めかけているようで、二回ぐらい入ったことのある店は座敷が空いているのにお店のお姉さんに案内する余裕すらない模様で店の外で待っている客が何人もいるという状態、他の店を通りかかっても状況は似たり寄ったりのようなので、インター付近まで戻って和食と蕎麦を扱っている店にて遅めの昼食を摂る。本来の目的を果たせなかった格好ですが、参拝はちゃんと出来たしそば・うどんのいずれかがつく天丼セットはそれなりに美味しかったので、まあ良し。
予定より時間がかかってしまったのですぐさま高速に乗り帰京。しかし、佐野インターを過ぎたあたりで玉突き事故があった他にもあちこちで事故が原因と思しい渋滞に巻き込まれ、往路よりも更に時間を費やして午後四時過ぎにようやく帰宅。昨晩更新したのちもあんなところを読み耽っていたために寝不足気味で、昼寝して補うつもりがタイミングを逸してしまいました。
コメント