TOHOシネマズ新宿オープン、そしてIMAX初体験。

新宿東宝ビル外観。 ゴジラヘッドを仰ぎ見る。

 ずーっと待っていた日がやって来ました。かつての新宿コマ劇場が閉鎖され、しばらく活用法が明確になっていなかった土地に、ホテルと共に新たなTOHOシネマズが建設されると発表されて数年、ようやく、本当にようやく、TOHOシネマズ新宿がオープンです。何せここはロフトプラスワンの目の前、かつてこの界隈には多くの映画館が並び、イベント前に映画をよく観ていたのですが、どんどん撤退してしまい、昨年の新宿ミラノ閉館によってとうとう映画館が消え去ってしまっていました。久々に、歌舞伎町に映画の灯が戻ってきたわけです。

 もう意地でも初日初回から鑑賞する気マンマンで、スケジュールの発表を待っていたのですが……どれも朝早いことにちょっと吃驚。まあ、初日で動員も多いことを見越したスケジュールなのでしょうけれど。しかし今回、ここで最初に観るべき作品にいっさい迷いはなかったので、ポイントを利用してネットにて早々とチケットを確保して、足を運びました――あまりに朝早すぎて、自転車だと間に合うか心許なかったので、電車にて移動。

 到着して驚いたのは、劇場そのものより、周辺の道路が整備されていたこと。前は歩道がどこにあるかも解らないくらいだったのに、横断歩道も書き加えられて実に綺麗になっている。まあ、ここはどれほど清掃されてもひと晩経てばゴミが散乱するような土地柄なので、きのうオープン記念式典が行われて清掃されたはずの道路が早くもちょっと雑然としてましたけど、その特徴はすぐにはどうにもならないでしょう。

 駅からちょっと歩きますが、まっすぐ進むとエントランスに通じるエスカレーターがすぐに見つかり、動線もいい。さすがに初日ゆえロビーはごった返し、あちこちで列の混乱が生じてましたが、広さもあって日本橋のときほど大混乱はしていない。スタッフの方が慣れてくれば、もうちょっと行動はしやすくなるでしょう。

 基本的にほかのTOHOシネマズと仕組みが一緒なのは当然なのですが、ひとつ違ったのは、VITで発見されるチケットです。やや厚手の紙に印刷したものではなく、普通のレシートに印字したかたちになっていた。TOHOシネマズでは日本橋などで実験的に半券をもぎらないシステムに移行していて、恐らくTOHOシネマズ新宿でもそちらを主体にするつもりなのでしょう。映画用のアイテムを詰めたケースのクリアポケットに入れたまんま提示すればいいので、私にはこの仕組みは楽……が、チケットがちょっとでかすぎる気はする。

 劇場について色々触れましたが、しかし今日は観る作品自体も非常に楽しみにしていた1本です。大ヒット・カーアクション・シリーズ待望の最新作、史上最強の敵との、車の限界を超える戦いを描いたワイルド・スピード SKY MISSION(字幕・3D・IMAX)』(東宝東和配給)

 本当に今日は迷う余地がなかった。新作発表時点で、ジャスティン・リンに代わる新たな監督が『SAW』や『死霊館』のジェームズ・ワンだったことで私の期待は高かったのですが、シリーズ最多出演の立役者であるポール・ウォーカーが不慮の事故により製作半ばで早逝してしまったことで、本篇の意味は大きく変わっていました。中心人物を欠いたなかでの奮闘は早くから伝えられ、この悪条件の中でも高いクオリティを実現したらしい、という話も聞こえていました。しかもこの作品はIMAX対応、日本ではまだまだ導入が遅れており、私の行動範囲から離れたところにしか対応スクリーンが存在していなかったためなかなか接する機会のなかったシステムだったのですが、新宿にてTOHOシネマズとしては初めて導入、そのこけらおとしに本篇が選ばれたのですから、もはや私としては選択の余地すらない。

 あまりに期待しすぎて失望することさえ心配していたのですが、これは本当に素晴らしかった。ポール・ウォーカーの不在をほとんど感じさせない、彼の存在をしっかりと刻みつけた組み立ても見事ですが、純粋にアクションとしての振り切れ方が圧倒的。前作のクライマックスで究極に行き着いたかに思えるスタントに、スパイ・アクション的な趣向を多数採り入れて新たな面白さを演出する。そしてそれらを、ジェイソン・ステイサム、という現在これ以上望みようのない“最強”の敵で彩った。シリーズ最高傑作であることは無論、ここ数年のアクション映画のなかでもトップレベルの大傑作でした。

 ただ、IMAXについては、想像していたほど効果を上げていなかった気がします。映画の演出が、音響面での臨場感をあまり重視していなかった、という印象もないではないんですが、私は内心、機器のセッティングに問題があったんじゃないか、という疑いを抱いてます……実際、昨年のいまごろ、TOHOシネマズ日本橋にてDOLBY ATMOSで『アナと雪の女王』を鑑賞したときは、あとで設定のミスによりATMOS仕様での上映が出来ていなかった、ということが発覚してますし。その後各所から怒られて、企業として学習しているはずだとは思うんですが、いっかいこういう出来事があるとなかなか信頼は戻らないもので。……念のために、明日以降確認しておくべきかしら。

 当初は初日にフリーパスを発行して入り浸るつもりでしたが、日本橋オープンの際に、初日はそれどころではない、ということを学習している。後日、仕切り直します。

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