2日続けてのTOHOシネマズ日本橋訪問です、が、実はいちばん最初に私の予定表で日程が確保されたのは今日だったりする。劇場のホームページをチェックしていて、品川ヒロシ監督最新作『サンブンノイチ』(KADOKAWA×吉本興業配給)が本公開前に、この日本橋で3スクリーンをほぼ同時に使い、キャスト10名のうち誰が登場するか解らない、という趣向での舞台挨拶つき上映会を催す、というのを知り、興味を惹かれて購入してみたのです。格別誰が見たい、というわけでもないので、当たり外れにはいっさいこだわらず、ただ単に上映時間がいちばん早い、という理由で、TCX採用のスクリーン8のぶんを確保しました。……先行オープンから数えても僅か8日なのに、もうこのスクリーン8で3回も、しかもそれぞれ違う作品を観ることになった私。まあそれも話のタネだ!
上映開始よりも1時間以上早めに現地入りして、まずはきのう、係員の不手際のお陰で冒頭を観逃してしまった『LIFE!』を、ちょうどいい具合のプログラムがあったので、端っこの座席を確保して、内容を補填しておきました。思ったほど長時間の欠落ではなかったんですが、予告篇で大きく採りあげられている映像が用いられているので、やっぱり観ておいて良かった。そしてフリーパスを発行しといてよかった、ほんとに。
きのう観たあたりまで確認してスクリーンを出ると、ちょうどスクリーン8も開場した。まだ処理が不慣れらしくいまいち列が進まない売店に悩まされつつも、無事にスタート時間前に場内に戻る。
予定の18時をちょっと過ぎて司会のよしもと芸人・タケトが登場して、イベントスタート。正直、私はほんとーに誰が来ても良かったんですが、現れたのはメインキャストの藤原竜也、小杉竜一、中島美嘉、窪塚洋介に品川ヒロシ監督。面子だけ見れば間違いなく大当たりでした。
撮影中のムードはそうとうに良好だったようで、舞台挨拶は終始和やかに進行しました。特に終始活躍していたのはブラックマヨネーズの小杉竜一です。主演の藤原竜也のことを名前で呼ぶ仲だ、と言っているのに全員でしらばっくれる。性分で突っこみまくると、品川監督に「他の3人の声が聴きたいんだから」とたしなめられる。しまいには持っていたマイクの音声まで途切れる始末で、あらゆる方面からいじられていました。いちおう、会話はメモしていたんですが、如何せん主に喋っていたのが小杉&品川監督の芸人コンビなので、話のスピードについていけず、印象しか記録できなかった感じ。
とまあ、イベントとしては満足なんですが――どうも、本当の当たりは別のスクリーンだったらしい、と公式サイトをチェックして悟りました。TCXを採用したもうひとつのスクリーンにて、本篇中にゲイのポルノ映画に出演する面々として登場している芸人3人がまず登壇、ハズレ感をたっぷり味わわせたあとで、こちらにいた5名も加わった模様。フォトセッションもそちらで行われたのですから、本命はあちらだったと考えられます。
実は、ちょっとだけ最初から訝ってはいたのです。カメラは入っていますが1台だけ、取材陣が入っている様子もないし、よくあるフォトセッションもなしに退場していったわけですから。しかし、考えようによっては、そういう宣伝用の段取りに煩わされず、舞台挨拶と本篇をじっくり愉しめたとも言えるので、これはこれで一興。
ともあれ、イベント後に本篇。品川監督作品は初体験、イベントの趣向にだけ興味があったので、出来には関心がなかったのですが――悔しいくらいに面白かった。ドンデン返しの連続がいささか非現実的な領域に達しているものの、徹底して観客を翻弄し、意外な展開で幾度も驚かせる、というその精神は天晴。ちゃんと笑いも随所に盛り込んでいて、終盤には一種の昂揚感も味わわせつつ、終わり方は決して単純なハッピーエンドではない。実に堂々たるエンタテインメントでした。文句なくお薦めできる。正式な公開は4月1日だそーです。
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