『Dr.HOUSE Season3』第5話 最愛の人

 深夜のレストランで発生した強盗事件。人質に取られた女性の夫の活躍により被害はなかったが、しかし人質の女性は突如呼吸困難を起こして、ハウス医師のもとに運ばれてくる。女性の病因を究明しているあいだに、夫も似通った症状を見せ、状況は急激に悪化していく。ハウス医師は夫か妻の浮気による性感染症を疑うが、しかしこの説に、フォアマン医師はいつも以上の反発を示す……

 導入が特異――なのはこのシリーズの常なので驚くには値しませんが、しかし今回の真相はかなり驚愕すると共に、あまりの残酷さに胸が苦しくなります。恐ろしいほど緻密に伏線を張り巡らせてあって、ミステリの題材としても出色なのですが……こういう扱いをするあたりからして、このシリーズはやはり有り体の医療ドラマではない。

 そして本篇の憎いところは、ここにもうひとつ、レギュラー陣のドラマを絡めていることです。患者夫婦の愛情に疑いを抱き、ウィルソン医師に新しい愛人の登場を盛んに勘繰るハウス医師と、やけに患者に肩入れしている印象のあるフォアマン医師の、久々に激しい口論の果てに明かされる真実は、メインである病因解明の苦みをほどよく抑えています。まったく、ほんとーにこのシリーズは一筋縄ではいかない。

 同時にシリーズにとってかなり重大な転機がラストで訪れてますが、正直ストーリー的にはいきなりなので、今回は触れるだけに留めます。既に次の回も鑑賞してますが、むしろ影響が大きいのはそっちなのですよ。

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