2週間ほど映画鑑賞に行けなかったせいで、観たい映画が溢れかえってます。自分のなかで明確な順位付けが出来るなら楽なんですが、本来優先順位の高いものを取り残しているので、どれから手をつけていいのか解らない……。
きょう考慮したのは、ちょうどTOHOシネマズの鑑賞ポイントが貯まっているので、シネマイレージが貯まりにくい尺の短い作品であること、そして、しばらくバイクで出かけてないので、使いやすい駐車場がある場所、かつ空いている可能性の高い時間割であること。以上の条件に合致したのは、TOHOシネマズシャンテでの9時40分からの上映でした。なんだかやったら久しぶりに、バイクに跨がった気がします。
鑑賞したのは、本年度のアカデミー賞オリジナル脚本部門受賞、『ナイル殺人事件』のケネス・ブラナー監督が自身の少年時代をベースに、宗教的な分断に翻弄される家族の姿を描いた『ベルファスト』(PARCO×ユニバーサル映画配給)。もともと観る気でしたが、「アカデミー賞関連作でいちばん確実に面白いのは、オリジナル脚本賞の受賞作」と認識してるので、受賞作よりも優先してこっちを鑑賞。
そんなにひねりがあるわけでもないのに、異様に胸に響く作品。もっと平穏な時間の描写があるのかと思いきや、本筋に入るなり、いきなり暴動が始まり、何にもできずに呆然とする主人公の目線を疑似体験するみたいな流れに晒されます。しかし、登場人物たちの凡庸で、しかし確かな優しさが、この世界の恐ろしさに希望をもたらしている。随所で人びとの悪意にさらされながらも、そのなかで生きていこうとする家族や親しい人びとたちの言葉が快く、力強く響く。
なにせ、状況から展開が当たり前に見えてしまうので、驚きや全篇に漲るスリル、なんてものを期待すると大いに肩透かしなんですが、現在にも通じる分断のなかで、着実に生きようとするひとびとの姿が美しく印象的。現在のベルファストを撮したシーン以外すべてモノトーンにしたことも、却って世界を鮮やかに見せてます。アカデミー賞ではオリジナル脚本部門のみの受賞に留まりましたが、間違いなく傑作。
鑑賞後は久しぶりにガード下のお店でカレーうどんを食べてきました。しばらく間が空いたら、500円から650円に値上がりしてました……しかしいまは仕方ないでしょう。そもそも、量が少なめとはいえ、今日日に500円は安すぎる。無料でご飯までつけて貰えるというのに。
帰りに日比谷しまね館を見てくる――つもりだったんですが、お腹がくちくなったらそのことをすっかり忘れて、すぐに駐車場からバイクを出して家路に就いてしまった。まだ4月初旬とは思えない陽気で、おとといよりも一段暖かいのを想定した服装ではまだ着込みすぎでした。上に着ていた革ジャンを、途中から前を広げて走ってました。しばらく服装に悩みそうだ……。
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[…] 原題:“Belfast” / 監督&脚本:ケネス・ブラナー / 製作:ローラ・バーウィック、ケネス・ブラナー、ベッカ・コヴァチック、テイラー・トーマス / 共同製作:セリア・デュヴァル / […]