観たいものが溜まってます、それどころか、溜めてるうちに上映終了の気配の見えてきた作品がちらほらと。全部を押さえるのは無理でも、こればかりは逃したくない、というのは拾っておきたい。まだあれこれ格闘中ながら、出かけることにしました。
本日の劇場はTOHOシネマズ上野。小雨もぱらついているので、徒歩で移動です……もはや、この距離なら、時間さえ確保できるなら歩いていきたい、という感覚になってます。
鑑賞したのは、アカデミー賞受賞作『シェイプ・オブ・ウォーター』に続くギレルモ・デル・トロ監督作、第二次世界大戦前のアメリカを舞台に、見世物小屋で体得した読心術でショーを行う男が辿り着く“悪夢”を、相変わらずギミックにこだわったおぞましくも美しいヴィジュアルで描きだしたノワール『ナイトメア・アリー』(Walt Disney Japan配給)。ドラマ作品は別として、監督作ぜんぶ観てしまったので、さすがにこれは漏らすわけにはいかないよね。
今回も妖しい美しさに彩られながら、人間の欲望、業を的確に撃ち抜く名作です。主人公スタンが家に火を点けて発つ、という衝撃的なひと幕から、彼の素性、心情に触れることなく、ひたすらにその言動を追っていく。往時の“見世物小屋”の猥雑な魅力をちりばめながら、次第にスタンの野心、狡賢さが浮き彫りになっていく。一種のピカレスクめいた展開は、しかし成功を遂げたかに映る中盤以降、危険な領域に踏み込んでいく。終盤の出来事を予見するのは容易ですが、しかしだからこそ、巧みに組み立てられた運命の歯車の残酷さがいっそ美しい。近作のようなファンタジー色はなく、サスペンスと呼んでもいい現実味の強い展開ですが、モチーフの扱いもあって幻想的な作品。デル・トロ監督の作家性も濃厚な、ファンとしては満腹感のある1本です。ケイト・ブランシェットが実に危険な感じを醸し出していて素敵だったのも嬉しいところ。
鑑賞後は、近場のラーメン店で食事。当初は、味のとても好きな鴨to葱に立ち寄るつもりでした。ぱらぱらですがまだ小雨が降っていたので、さすがに並んでても数人くらいだろう、と高を括ってたら、がっつり並んでるんでやんの。
やむなく諦め、別の店へ。今週はレポートを仕上げる余裕がないので、初訪問の店には行かず、再訪か、別の土地で訪れた店の系列に立ち寄るつもりでしたが、いざ店の前に行くとピンとこない。けっきょく、上野駅近くまで行き着いてしまい、最終的にアトレの端にある六厘舎上野に。ちょうど席が埋まったところで、ちょっとだけ並びましたが、ここはアーケードがあるので苦ではない。
以前はどこに行ってもとりあえずつけ麺を注文してましたが、体調が悪くなった時期、つけ麺特有の麺の多さが堪えるようになった。六厘舎も、味は文句なしですが、ボリュームがキツくてしばらく足が遠のいていたのです。しかし、このところ体調が整ってきて、食べられる量が増えてきたこともあり、久々に食べてみる気になった。
案の定、ちゃんと食べられる。途中で胃の負担を覚えることなく、無事完食しました……麺は、ね。さすがにつけ汁の完飲は躊躇しました。魚介の濃厚さもスープ割りでサッパリと啜れてしまうので、ちょっと悩んだんですが。
帰りは電車を利用。久々にお店でつけ麺を堪能出来た気がする。
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