『ARIA The ANIMATION』第13話 その まっしろな朝を…

 最終回ですよ。早過ぎやしないか。でもこのクオリティで20話ぐらい走り抜くのはまた辛いものがあるだろう、と思うと、このくらいが程良いのかも。そして半年ぐらいおいて復活してくれると嬉しい*1

 ネオ・ヴェネツィアでの年越しの模様。それゆえ見事に全員集合で、当初の読み通りちゃんとアイも登場し、前回に続いてほぼアニメオリジナルの展開に突入。

 ……しかし、率直に申しまして、演出も台詞もシリーズ最悪の出来。この脚本家は第11話も手懸けてますが、どうも台詞回し・構成ともに拙劣です。作画レベルのほうもそれに引っ張られるように下降し、どういうわけかアイの声の演技まで劣化している。初登場時点の、ドライさのなかに子供っぽさが混ざって、うまいこと灯里の精神年齢と対応しているあの感じがまるっきり失われてただの甘えん坊になってしまってます。こりゃさすがに褒められんぞ。

 そして中盤では、アニメオリジナルの要素とリンクした展開が綴られますが、正直二回続けての幻想譚はさすがに過剰だし、そもそもさりげなさこそ重視されるべき筋だったはずなのに、つけすぎた台詞のために感慨も台無し。

 そうでなくても登場人物が多すぎて、従来のエピソードでは大切にされていた間が殺されているのですから、台詞の響きを大事にするべきところを、全体に無神経な言葉で埋めすぎ。人物を減らすか、減らしたくなければもっと慎重に言葉を選ばなきゃ駄目です。

 クライマックスは原作にもある名場面で終わるのですが……ここもちょっと、というかかなり不自然。まず、設定上まわりに他の人がいないのは変だし、万事登場人物が一列に並んでいるのも変。それぞれが思い思いの姿勢であの場面を迎えてこそ感動的だったのに、不自然さで見事に帳消しにしてます。最後の灯里とアリシアのやり取りも余計。あの言い方では、アニメ版で語られる以前の出来事を否定していることになるでしょうが。

 折角の最終回なのでもっと心地よい気分に浸りたかったのですが、正直あまりに不出来でげんなり。前回で終わったことにしときたかった……或いはソフト化するときに全面的な修正を希望します。なんでメインの脚本家に書かせなかったんだろう……?

 ともあれ、最終話の主要スタッフは大晦日、海べりに正座して年越ししてください。

 ……どうでもいいですが、来年からは同じ枠で『かしまし』やるのね。結局一月以降もこの時間まで起きてなきゃならんのか。

*1:とか書いたあとで調べたら、既に製作決定らしい。本当に嬉しい。最終話の出来が微妙だっただけに尚更に。

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