開司が挑んだ戦いに、船井は乗ろうとしない。何故なら、グーのカードを持っている船井が相手にするのは、カードの交換に参加しなかったチョキのカード三枚を隠し持っている人物でいいのだから――だが、そんな者は何処にもいない。開司はゲームの中盤での出来事を、この瀬戸際で思い出していたのだ。彼にその事実を示唆された船井は遂に、敗北を自覚する。そして、限定ジャンケン、終了――
布石が最後で活きて、開司勝利。しかし話がここで終わらないのがこの作品の素晴らしいところ。出来れば駆け引きだけですべてを終わらせて欲しかった気もしますが、しかしこういう騙し合い、信頼と裏切りの理屈とを決して避けることなく描いているのもいい。今回の成り行きは、考えてみればごく当然なのですけれど、ここを省くことが出来なかったのが開司の弱さでもある。先行する『アカギ』では出来ない、完璧ではない博打打ちの葛藤をきちんと捉えています。
そして次回は、たぶん本当に“限定ジャンケン”編完結。このあとどう決着させるのやら。ていうかこのアニメ、幾つぐらいエピソードを消化する気なんだろう。
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