愛娘・乙女が恋人との同棲を宣言して、金八先生は茫然自失となるが、生徒たちのほうにも問題は山積していた。当座、気に懸かるのは、元野球部員の憲太郎が風邪と称して学校を休みながら、友達からのメールに応えず、夜の河川敷に立ち尽くしているのを目撃されている件である。金八先生は憲太郎の家を訪れるが、憲太郎は部屋に引き籠もって出る様子がない。両親の態度から、どうやら家庭に何か要因があるのを察する金八先生だったが……
しつこいようですが、やってることは正しい、でも地味。金八と娘・乙女との確執に、憲太郎の事件を発端ににわかに浮上してくる、現代の子供達と親との隔絶。そうしてクライマックスの授業に結びつけていく、今シリーズでの定番となった手管の確かさは出色です。ちょっと金八先生の授業内容が性善説に過ぎて、押さえ切れていない箇所が多いのが難ですが、しかしその分を、後半で波乱をもたらした生徒・大将と寿司政の主とのやり取りでちゃんと補っている。地味ですが道行きは着実。ほんとーに、これこそ評価されるべき正しい教育ドラマだと思いつつ、でも普通の人は途中で興味なくしそうだよなあ、と思う。外連味もないし。
というわけで私はどんどん評価を高めているのですが、正直この状態だと本来の半年に満たず打ち切りの憂き目を見そうで怖い。……最近あまり局内の体制が芳しくなさそうなTBSでもあるしなあ……。
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