『逆境無頼カイジ』Bet.02　火蓋

　船中で開司たちに与えられたゲームの名は、“限定ジャンケン”――ルールは単純ながら、決して簡単に勝ち残れるものとは思えなかった。開始から10分程度で瞬く間に敗者が誕生、次から次へと脱落していくのを目の当たりにしておののく開司に、軍資金の貸し付けに満額を要求した船井という男が声をかけてきた……

　麻雀のルールをある程度知っていないと興奮を充分に味わえない『アカギ』と違って、独自ながらシンプルなルール、純然たる言葉による駆け引き、騙しがまかり通る作品世界なので、まっすぐにその衝撃、知的スリルが堪能できます。原作を読んでいない私はなおさら興奮してますよ。絵柄が性に合わないため敬遠していましたが、ある意味でそれが幸いしました。いま楽しくて仕方ないわ。

　船井の用いた姑息ながら華麗なトリック*1によって窮地に追い込まれながらも、逆に可能性を見出したところで次回に続く。第１話時点では『アカギ』のイメージが強かったためにやや馴染まなかった萩原聖人の声も、本格的に勝負と向かい合うようになって急に嵌ってきました。次回以降も安心して楽しめそうです。

　……しかし本編あと、“カイジ箴言”のバックに映る水着娘の意味のなさは素晴らしい限りです。どういう層が観ていると想定してこんなん入れてるんだ。