『スケッチブック 〜full color's〜』Page.01 スケッチブックの少女

 こちらは原作にいちど興味を惹かれつつも、あんまり読むものが増えすぎていた時分だったためにスルーしていた作品だったので、アニメぐらいは観てみようかと拾ってみました。

 顧問・春日野日和の提出した課題があまりに漠然としていたせいで、美術部は急に出席率が悪くなってしまった。でも、梶原空にとってはそんな部室が心地好い。彼女は、いちばん関心のあること――猫を追って外をうろうろするけれど、彼らはなかなか掴まらず。そんな感じて町を彷徨っているうちに、意外な発見をするのだった……

 うあ、これ大好きな雰囲気だ。原作の版元にしても脚本家にしても監修にしても制作プロダクションにしても、なんだか『ARIA』のスタッフが新シリーズの腕慣らしに作っているような感覚。『ARIA』よりも絵柄をコミカルに、よりソフトにしたという感じです。ていうか空が最終的に選んだ課題の題材が既にアリア社長だったし。

ARIA』以上に猛烈な雰囲気アニメーションですが、しかしその随所に先輩コンビの漫才で呼吸を作ったり*1、また空のナレーションによる静かな主張が利いていて、話の流れがしっかりしている。

 あまりにもフィットしたので音楽もチェックするか、と鑑賞しながら公式ホームページを観たら、EDが作詞・作曲:大江千里、編曲:清水信之という往年のファンには堪らない組み合わせが作っていて唸ってしまったり。歌っているのは本編でも鳥飼葉月を演じている牧野由依ですが、Aメロ部分の歌い方なんか多分仮歌は大江千里だったんだろうなーと思うくらいに雰囲気を踏襲していて涙腺緩みそうになりましたよ。このコンビで作っていたころの大江千里がいちばん好きだったものでねええ。

 というわけで、この前の『BAMBOO BLADE』とともに、今秋はしょっぱなからいい組み合わせに巡り逢えて私は大変はっぴーです。しかしさっきまで無気力な部員候補をやっていた人がこっちでは中途半端にやる気のある顧問をやってるというのはどうよ。

*1:片割れが浅野真澄というのも妙に私のツボに嵌ってたりして。

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