蘇った力に改めて困惑する千波美。だが、監視する者達は、彼女の力がかつてよりも拡大し、また影響を及ぼしているのが千波美の力だけではないことも察知していた。しかも由真までが能力のコントロールが利かなくなっている。彼女たちの身に何が起きているのか……？
……なにこのぜんぜん収拾のついてない終わり方。小国の姉弟はけっきょく最後までまともに話に絡まないどころかあまりに扱いが酷いし、千波美を追っていた組織の目的も、背後で暗躍していた人物の意図も不明のまま。コメディ部分や、千波美たちの成長を促す事件の裏打ちとして割り切って扱っているならともかく、半端に描いてしまっているから釈然としない気分が残るだけでした。
肝心の恋愛描写にしても、あまりに道行きが安易で感動に乏しい。そもそも千波美が光太郎のどのへんに惹かれたのか、はまあ置いておくとしても、対する光太郎の感情の変化が描けていないことや、折角のライヴァル・園美がほとんど活きていないのは問題。ラヴコメといいながらコメディとして煮え切らない作り方をしてきたうえに、中途半端に能力絡みの描写や陰謀を織りこんでしまってどっちつかずに終わってしまった感じです。陰謀なんかそっくり取り払って、徹底的にコメディにしておけば良かったのに。あの姉弟は絡めても良かったのですが、裏の首謀者なんか演じた矢尾一樹に頭を下げてくれ、と言いたいぐらい無意味です。焦点が絞れなかったせいで、本当ならムードメーカーになれるはずだった小松菜＝桃井はるこもただの脇役にされてるし。
もしかしたら紙媒体とかＯＶＡなどで欠けた部分を補うつもりなのかも知れませんが、だからといってアニメ単体での駄目さが補えるわけではありません。トータルでは、私がここ数年に観たテレビアニメの中で１・２を争うぐらいの酷い出来でした……作画や演出、基本的な狙いは悪くないと思うのですが、尺に合わせた構成が出来ていないだけでここまで酷くなるんだなあ……。
ちなみに東京ではこの枠は来月から『もっけ』になるそーです。キャラクターデザインを観たときは微妙な印象でしたが、予告として動いているのを観る限りはそんなに悪くなさそう。こちらは２クール使うらしいという噂ですから、ちょっと期待しておこうかしら……この枠は私には鬼門らしいので、未だ不安は覚えてますけど。
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