それでもここで生きていく。

 プログラム切替直後の火曜日は午前十時の映画祭9を観に行く日。あんまり体調はよくないんですが、それでも気張って出かけてきました。あとの買い物の都合とか、陽気の問題もあって、移動は電車。

 いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、新藤兼人監督1960年の作品、瀬戸内海の孤島で暮らす家族の姿を台詞なしで描いた『裸の島』(近代映画協会初公開時配給)

 台詞もなければストーリーも至極簡素、でも不思議な奥行きがある作品。同じ日常の繰り返しを様々なアングルから見せることで、観客に彼ら家族の暮らしを共有させ、彼らと同じような感覚を疑似体験させる。それ故に、その展開が読めてしまう場面もありますが、そこで彼らが覚える感情も理解できてしまう。そこまで持っていくからこそ、終盤の“悲劇”とそのあと見せるむ感情の発露が強烈に響いてくる。累積赤字で解散目前だった制作会社がこの1本で息を吹き返すほど高い評価を得た、という話ですが、納得のいく傑作。

 鑑賞後、電車で御徒町まで移動して母と落ち合い、お買い物。しばらく父のお下がりのダウンを着て寒さをやり過ごしていたんですが、少々サイズが大きすぎるので、ちょうどいいのを購入。ついでに昼食も買ってから、ふたたび電車にて帰宅。

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