またしても台風が近づいております。その影響で天候は大荒れで、もしバイクで遠出しようとするなら、この金曜以外に適当な日がない。そして、このあいだからずーっと観たかった作品の、特殊な方式での上映は、バイクでないと不便な場所で上映している――そういった理由から、午後の用事を済ませると、自宅でちょこっとだけ休憩を取り、おもむろにバイクを出しました。
金曜夜の微妙に走りづらい繁華街を抜けて向かったのは、アクアシティお台場。以前、ここの1階にはシネマメディアージュがありましたが、“メディアージュ”自体がアクアシティに合流するのに合わせて撤退、同じフロアに現在、ユナイテッド・シネマが出店しているのです……ゆりかもめの路線内には既にユナイテッド・シネマ豊洲があるんだけどいいんだろうか。いいんだろうなきっと。
上映開始は20時55分、しかし到着したのは19時半。何故なら、経験上ここのバイクの駐輪場は駐めづらいから。最悪、駐める場所が多そうなダイバーシティまで向かって、徒歩で戻るつもりでした。幸い、いままでは知らなかった場所にある駐輪場にギリギリで押し込めたので、余裕を持って会場入りできました。
まだ夕食を摂っていないので、まずは5階にある“東京ラーメン国技館 舞”へ。ここにはラーメン好きなら聞いたことがあるはずの名店の支店が軒を連ねている。だいぶ前にいちど、ここの頑者で食べたことがあるのですが、これは近いうちに、別のところで食べる機会があるはずなので、今回はパス。代わりに選んだのはせたが屋です。創業者は『鉄腕!DASH!!』でラーメン作りの指導に加わっていた方なので、親しみはあるんだけど実は食べたことがない。最近はつけ麺ばっかり注文しがちなので、今日はのり玉らーめんを注文してみました。魚介の味わいがかなり濃厚ですが、えぐみはなくさっぱりと食べられる。試しに卓上のカレーパウダーを散らしてスープの味を変えると、いくらでもスープが飲めそうな気がする――さすがに塩分の摂り過ぎになるので、適当なところで切り上げましたけど。
あまりに余裕を取り過ぎた時間を、あちこち適当にぶらついて潰して、いよいよ劇場へ。鑑賞したのは、ジェイソン・ステイサム主演最新作、海の底深くに潜んでいたバケモノと、凄腕のレスキューが対決する『MEG ザ・モンスター(字幕・2D・Screen X)』(Warner Bros.配給)。
内容に触れる前に、なんでわざわざお台場まで来てこれを鑑賞しようと思ったのかを説明すると、この“Screen X”という規格に興味があったからなのです。スクリーンが正面だけではなく、左右の壁面にまで展開していて、視界のほぼすべてに像が投影される、というもの。左右の画面を作成していなければ成り立たないので、対応する大作に限られますが、3Dとも4Dとも異なる臨場感が味わえるわけです。日本ではこのお台場が初めて導入していて、オープン以来ずーっと機会を窺ってました。主演がステイサム兄貴なので、ほぼ全作かけてる豊洲に義理を通したかったのですが、今回はこっちを選ばせて貰った次第。
告知されていたとおり、すべてのシーンが3画面投影にはなっていないんですが、しかしきちんとツボを押さえて利用しているので、サメ映画ならではのスリルが増してます。なにせ、あのでかい口が一瞬、スクリーンを覆い尽くすんですから。3Dでも、錯覚を利用しているがゆえの作り物感を拭うのは難しいんですが、このScreen Xの規格はパニック映画、モンスター映画には非常に適しているかも。
映画自体ひじょーに楽しみにしてましたが、いい意味で期待通りでした。絶滅した、と言われる巨大ザメを生き延びさせるロジックはかなり乱暴ながら確立していて、それが現代に脅威として出没した理由も明確。きちんと一般的なサメの駆除・撃退法を織り込みながら、ドラマのスパイスも添えて、壮絶なクライマックスへとなだれ込む。欲しかったものがだいたい詰まってます。何より、こんなバケモノを相手にして、存在感がまったく薄れないステイサム兄貴が最高なので、私としては言うことありません。
映画が終わった頃には、アクアシティの他のテナントはすべて閉店しており、館内の廊下はほぼ塞がれている。そのため、バイクを駐めたところまで、延々屋外のデッキを歩いて移動しなければなりませんでした……久しぶりに暖かい陽気だったお陰で苦にはなりませんでしたが、廊下ぐらいはギリギリまで解放しといてくれてもいいと思うの。そしてデッキももうちょっと明るくしておいて欲しいの。
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