週1の切替だとギリギリになりがち。

 今年度の“午前十時の映画祭9”は長期休みに週1で作品を切り替えるスケジュールになっています。加えて、初日も従来の土曜から金曜に変更となった――そう、本日は、今コマの最終日だったりする。今年は、外せない予定が午後に入るようになってしまい、午前10時スタートのこの映画祭上映作品は混雑する土日を避けると火・木しか行ける日がない。なので、今週のように、火曜日に1本入れてしまうと、どうやってもギリギリである木曜日に入れざるを得ないのです。今年もコンプリートを目指しておりますが、油断すると取り落としそうで怖い。

 まあ何はともあれ、ギリギリですが今コマの上映作品を、いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞してきました。作品は、パトリシア・ハイスミスの小説をルネ・クレマン監督が映画化、アラン・ドロンの名を国際的に知らしめることとなった伝説のサスペンス太陽がいっぱい 4Kデジタル復元版』(KADOKAWA配給)。この映画祭では第1回・第2回で上映されてますが、この当時はニュープリントのフィルムを用いていたため、デジタル復元版では初めての鑑賞です。

 久々に観ると、思っていたほど舞台に広がりがない。現代のように、空撮やCGを多用していないせいもあるのでしょうけれど、絞ってみるとイタリア国内、しかも船の上や部屋の中など、けっこう狭いところで物語が転がされているからのようです。しかしそれでも充分に異国情緒と、そのなかでスマートに、しばしば惨めに足掻く男の危険な魅力とを描きだしている。本篇で描かれている犯行手段の大半はもはや簡単に足が着いてしまうものですし、序盤のおふざけも(放蕩ぶりの象徴でしかないとはいえ)たぶん描写するのも困難で、この時代ならではの傑作と言えましょう。

 出かけたときの食事は近場で摂るのが基本なんですが、さすがに祝日の今日はどこも混んでいるので、映画館の入っているコレド室町地下のフロアでお弁当を買って、自宅で食べました。

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