『新米姉妹のふたりごはん』ばっかり読んでる。

 最近、食べ物系の漫画をやたら好んで読んでます。それもグルメではない、日常の営み、交流のツールとして食事を用いている類のものを。昨年アニメが好評を博していた『甘々と稲妻』や、ちょっとハードボイルド的な『ラーメン大好き小泉さん』などなのですが、実はいちばんお気に入りなのが、『新米姉妹のふたりごはん』という作品。

 題名通り、両親の再婚により突然姉妹となった女の子ふたりが、食事を通して親しくなっていく過程をほっこりとしたトーンで描いているのですが、これがやたらと可愛い。クール系の美人なのに人見知り、しかし人一倍料理に精通している妹が、どちらかと言えば妹っぽい風貌と人懐っこさのある姉にやたらと懐いている姿がひたすらに微笑ましいのです。

 姉が「その身体のどこでカロリーを消費しているのか」と訝るくらいの健啖家であるがゆえに、乗せられて食事を作りすぎてしまう妹。そんな妹の腕前にすっかり食事は頼り切りながら、ときどき友人に発破をかけられて奮闘したり、子供っぽいキャラクターに似合わない成績優秀さや閃きを見せる姉。関係が深まるごとに、そうしたお互いの新しい一面に触れる驚きや嬉しさをまばゆく描いていて、読んでいてほんとーに心地好い。もちろん、登場する料理が、作る過程も含めて美味しそうなのも魅力です。単行本では各エピソードのあとに、料理漫画研究家・杉村啓氏による解説と簡単なレシピも掲載されていて、その気になれば実際に再現してみることも出来る親切な作りもいい。

 まだ巻数は少なく、まさに今日2月27日に第3巻が発売されたばかり。私はBOOK☆WALKERの電子書籍版で読んでいるのですが、予約機能を用いて登録してあったため、昨晩の日付が変わった時点で端末にダウンロードされたのですぐさま読み始め……もう3回ぐらい読んでます。我ながらハマりすぎだ。

 そのくらい読み耽ってますから内容的には満足なのですが――ひとつだけ、これは第1巻を読んだときからずっと引っかかっていることがあります。

 ご多分に漏れず巻末にはあとがき漫画を収録していて、そこで関係者への謝辞も記されている。前述した料理漫画研究家の杉村啓氏に対しても謝辞を捧げている、のですが。

“啓”の字の下半分が“石”になっているのは何故だ。

 作者による書き文字の“啓”がずーっとこの状態なのです。第1巻の時点で気づいていて首を傾げ、2巻でも直っていなかったのを発見したとき、「これ指摘したほうがいいのかしら」と思ったのですが、まあさすがに3巻では直ってるでしょ、と軽く考えていた。

 しかし直ってない。

 字が小さいため電子書籍ではちょっと確認しづらいのですが、明らかに“口”のうえになんか蓋がついてる。

 ここまで来るとさすがに指摘せずにはいられない。っていうか、どうしてここまでチェックをすり抜けてきたのか不思議でならない。せめて担当ぐらい気づかないのか。書き文字には大して注意を払ってないのか?!

 もしかしたら私が知らないだけで、下半分が“石”の“啓”という字が、この方の表記としては正しい、という可能性も考えないではありませんが、だとしたらきちんと写植で組まれたコラムが全部間違っている、というわけで、むしろ問題は大きい気がします。お願いだから誰か確認して。

 ……まあ、この程度の誤字はそんなに珍しいことでもありません。内容的にはほんとに読んでいてストレスの溜まらない、心地好い作品なので、気になった方は是非ともご一読あれ。下に既刊へのリンクを並べておきます。

新米姉妹のふたりごはん(1)』/『新米姉妹のふたりごはん(2)』/『新米姉妹のふたりごはん(3)

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