劇場で鑑賞した本数: 118本(延べ・99本)
近年の平均値からするとちょっと減少。複数回観た作品、前に観た作品を除くと99本、そのなかには『タイタンシネマライブ』のような映画以外のイベントも含まれているので、初めて観た映画作品、というのはだいぶ減った印象……まあ、本当に色々と忙しかったですし、ね。
そんななかで、ロードショー期間中に3回も『シン・ゴジラ』を観たのは私としては珍しいケースです。様々な上映形式でかかっている場合、思い入れが強ければ可能な限りフォローしたい、というタイプだからですが、そのくらいあの作品は思い入れがありました。TOHOシネマズ新宿オープン以来念願であった、「ゴジラの下でゴジラの映画を観る」を実現させたことがよっぽど嬉しかったんでしょう、きっと。
映像ソフトもしくはオンデマンドで鑑賞した本数: 2本
……私もビックリです。忙しい時ほど、却って自宅では観ない、というのが改めて証明された格好……ですが、実のところ観た2本というのも、どーしても出かけられないさなかに、我慢出来ずに傑作カンフー映画ブルーレイコレクションを流していた、という状況だったんですが。
来年は家でももーちょっと積極的に鑑賞するつもりです。もしかしたら新年1発目に観るのがレンタルDVDになる可能性がある。
最も多く訪れた劇場: TOHOシネマズ日本橋 40本
今年も自宅からいちばん近い、という利点を最大限活かさせていただきました……とは言い条、そこそこ遠いけど周囲でイベントを実施していたり、何より私のふだん利用する映画館では唯一、IMAXを擁している、という理由から立ち寄る回数が多かったTOHOシネマズ新宿では都合24本鑑賞していて、場合によっては日本橋に肉迫していたかも。
2017年はどうなるか、いまのところ不明です。実は秋頃、日本橋よりも更に近いところにひとつ、シネコンが建つ予定なので、それ以降は拠点を移す可能性があります……問題は、IMAXやMX4Dなど、特殊な規格にどれだけ対応してくれるか、なのですが。それ次第では、構図がガラッと変わるかも知れません。まあ私以外のひとにはどーでもいいとは思うがな!
私的ベスト20(2016年01月以降に劇場で封切り公開された作品)
順位 | 作品タイトル | 日本公開日 |
1 | 『残穢 −住んではいけない部屋−』 | 2016年1月30日 |
2 | 『オデッセイ』 | 2016年2月5日 |
3 | 『この世界の片隅に』 | 2016年11月12日 |
4 | 『聲の形』 | 2016年9月17日 |
5 | 『シン・ゴジラ』 | 2016年7月29日 |
6 | 『デッドプール』 | 2016年6月1日 |
7 | 『ルーム』 | 2016年4月8日 |
8 | 『ズートピア』 | 2016年4月23日 |
9 | 『ブリッジ・オブ・スパイ』 | 2016年1月8日 |
10 | 『家族はつらいよ』 | 2016年3月12日 |
次点 | 『貞子vs伽椰子』 | 2016年6月18日 |
次点 | 『魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身! キュアモフルン!』 | 2016年10月29日 |
今年が始まった時点で暫定1位に設定していた作品が最後まで動きませんでした……だって、基本的にはミステリやホラーが好きで、理想のホラーを作られたら弱いんだもの。
2位に選んだ『オデッセイ』はSFの緻密な考証・考察に加え、サスペンス豊かで最後まで面白い、という理想的なエンタテインメント。個人的にはこれがアカデミー賞を獲るべきだった、とずーっと思ってます。
そして12月に鑑賞したアニメ2作が突如として3位と4位に入ってきました。観たばかりで衝撃が強いままだから、というのもありますが、この2作は今後も長く語り継がれるべきだと思う。
実は、この項をまとめる直前まで、『シン・ゴジラ』は10位以内に入ってませんでした。しかし、冷静にランキングを見直して、自身のハマり度を考えたら、入れないわけにはいかなかったので。CGの完成度とか、一部に課題は残っていたように思いますが、それでもこういう作品が出てきたのは素直に嬉しい。
以下はかなり流動的です。ただ、6位から10位は、基本的に多くの人にお薦めしていいと思う作品ばかり――と言いながら6位がいきなりR-15+なのはどうなんだ。
むしろ強く触れておきたいのは次点の2作品です。夏以降に、記録的な話題作が相次いだせいで一気に印象が薄れてしまった感がありますが、この日本が生んだ2大ホラー・ヒロインを自らの作風に落とし込んで完璧に乗りこなした白石晃士監督による『貞子vs伽椰子』は出来たら覚えておいて欲しい。そして『魔法つかいプリキュア!』はもう単純に大好き。久々に映像ソフトも買おうかと思っているくらいだ。
なお、『君の名は。』をランクに入れなかったのは、決して天の邪鬼な考えではなく、私自身の評価ではそこまで達してなかった、というのが正直なところだからです。いい作品だと思うし、ヒットしたのも当然だ、とは思うのですけど、私自身のランキングには入りませんでした。
私的ベスト10(2014年以前に公開された作品)
順位 | 作品タイトル | 日本公開日 |
1 | 『秋刀魚の味』 | 1962年11月18日 |
2 | 『生きる』 | 1952年10月9日 |
3 | 『東京物語』 | 1953年11月3日 |
4 | 『いまを生きる』 | 1990年3月24日 |
5 | 『Booth ブース』 | 2005年11月5日 |
今年は午前十時の映画祭7以外で旧作を観る機会があまりなく、しかも過去に観たものと重複しているものも多かったので、5位までに抑えました。結果、4位以外ぜんぶ日本映画になる、という未曾有の事態に。
ひとくちに言えば、小津安二郎に初めて触れた衝撃が最後まで尾を引いた1年でした。新作のほうのトップ10で山田洋次監督が『東京物語』のモチーフを踏襲して撮った『家族はつらいよ』が入ってきたのもこのことと無縁ではない。特に『秋刀魚の味』は、最後のワンシーンが未だに忘れられない。淡々とした、そして計算された作りが、私にここまで突き刺さるとは正直思ってませんでした。来年もし劇場で観る機会が得られないようなら、DVDやブルーレイを借りてでも掘り下げてみたい気分。
このランキングではちょっと異質な5位は、中村義洋監督初期の隠れた名作だと思う。近年は伊坂幸太郎作品を中心に原作もので活躍されてますが、こういう凝ったオリジナルがもーちょっと観てみたい。
2016年の展望
今年はとにかく終始バタバタしていて、終盤など新作のチェックはほとんど出来ていない状態でした。ですから、来年何が封切られて、どれが楽しみなのか、あんまり思いつかなかったりする。
ただひとつ、ずーっと待ち焦がれていた作品は公開されます。マーティン・スコセッシ監督の『沈黙−サイレンス−』(KADOKAWA配給/1月21日公開予定)。スコセッシ監督がたぶん十数年以上前から製作を予告しながら、もろもろの事情でなかなか着手出来ずにいた作品なのです。当初はベニチオ・デル・トロが出演予定で、とそのためなおさらに楽しみだったのですが、遅れているうちに彼の出演は消えてしまいました……とはいえ、日本の俳優も多数出演する大作ですから、依然として期待は大きい。
そして待望といえばもうひとつ、ヴィン・ディーゼルがアクション俳優としてその魅力を開眼させた作品だというのに、監督と揉めたとかで続篇には彼が出ない、という事態に陥り、当然のように鳴かず飛ばずだったせいで存在が抹消されつつあったあのシリーズが、ヴィン・ディーゼルとともに帰ってきます。『トリプルX:再起動』(東和ピクチャーズ配給/2月24日公開予定)。『ワイルド・スピード』シリーズを復活させた功績もあって、こちらでも製作というかたちでディーゼルが携わっていますし、更にはドニー・イェンも参加していて、かなり期待は大きいです。『ワイルド・スピード』とは違う、態度のデカいヒーローの活躍に期待したい。その『ワイルド・スピード』も来年は『ワイルド・スピード ICE BREAK』(東宝東和配給/4月28日公開予定)が控えてます。ポール・ウォーカーを失った穴を埋めるために全力投球した結果、アクション映画史に残る大傑作となった前作をどこまで乗り越えられるか、が心配なところですが、そこも含めて楽しみ。
ここ数年、絶えずに新作が発表されているマーヴェル・ユニヴァースは来年も元気ですが、2016年にはDC版のヒーロー集結大作『ジャスティス・リーグ』への布石も始まっており、2017年もこの流れを受け継いで、多数の作品が控えてます。とりあえず解っているのはマーヴェルの『ドクター・ストレンジ』(Walt Disney Studios Japan配給/1月27日公開予定)、そしてあの人気作が遂に本格的に合流する『スパイダーマン:ホームカミング』(Sony Pictures Entertainment配給/8月11日公開予定)、対するDCは、『バットマン vs スーパーマン』で鮮烈にデビューした彼女をフィーチャーした『ワンダーウーマン』(Warner Bros.配給/夏公開予定)が予告されてます。調べきれていないので、もしかしたら他にもあるかも。
復活以降は毎年末に新作が公開されることになっている『スター・ウォーズ』も、来年には本篇である『スター・ウォーズ episode VIII』(Walt Disney Studios Japan配給/12月15日公開予定)が予定されている。あんまり続くとマンネリ化しそうで(実際、マーヴェルはちょっと倦みはじめてますし)怖いのですが、とりあえずは楽しみ。
今年は大豊作と言ってよかった日本のアニメは……何があるんだ? とりあえず私のリストには、『思い出のマーニー』の米林宏昌監督がジブリ解散後初となる新作『メアリと魔女の花』(東宝配給/夏公開予定)の発表を告知してますが、他は拾えてません。でもまあ、今年の活気を思えば、他にも掘り出し物があることを期待してもよさそうです。
とにかく2016年は身辺が慌ただしかったあまり、観たかった作品もけっこう取り漏らしていたのですが、来年はもうちょっと着実に押さえていけるようにしたい……そして、溜まりに溜まっている映画感想の宿題も、なるべく消化出来るように頑張ります……。
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