本日は2ヶ月に1度のお楽しみ、タイタンシネマライブの開催日、ですが同時に、今年最後の目玉作品の封切り日でもある。当初、出来るだけいい環境で観たい、と思い、色々と予定を組んでみましたが、どうもあとに堪えそうなので、大人しく六本木ヒルズでハシゴするルートを選択しました。
夕方からえっちらおっちら自転車にて六本木へ。さすがに年の瀬が迫ると、日の暮れたこの街はいつも以上に浮ついた雰囲気になる。基本ひとりで行動している私は粛々とやり過ごして劇場へ。
シネマライブの前に鑑賞した今年最後の目玉作品とは、アルフォンソ・キュアロン監督作品、宇宙空間で事故に遭遇し漂流する、という極限の恐怖を3Dで再現した『ゼロ・グラビティ(3D・字幕)』(Warner Bros.配給)。
事前情報だけで傑作だろう、と確信してましたが、これは凄い。本当に宇宙空間で、登場人物と共に極限状況に置かれている感覚を疑似体験出来る。相変わらずの長回しで見せる序盤、相次ぐトラブルのもたらす恐怖と、この状況だからこそのシンプルで力強いドラマ。しかしプロットのクオリティもさることながら、本篇はこの圧倒的な体験こそに価値がある、と言いたい。3Dで観るのは無論、可能な限り最高の環境で鑑賞するのをお薦めします。私は当初、TOHOシネマズららぽーと船橋で新たに導入された、TOHOシネマズ独自規格の高品質上映規格“TCX”で鑑賞したかったのですが……とにかくどースケジュールを組めばいいのか解らなかったの。可能なら年内に時間を作って船橋で観るか、来年3月にTOHOシネマズ日本橋のオープニング企画あたりで上映されるのを願おう。近場にIMAXの劇場があるなら、そちらで観るのもいいと思います。
鑑賞後、急いで1階下に移動して、もうひとつのお楽しみ、タイタンシネマライブです。
率直に言って、今回は序盤が低調でした。ゆりありく、というかおさるSUNクローザーsixはネタがうまく回らなかった上にマイクの音声が入らなかったりオチの声が途切れたり、と機器の不調にも泣かされ、瞬間メタルは以前それなりに受けたはずの歌ネタでかなーりガタガタになってしまった。続くゲストのパペットマペットが少し会場を和ませ、日本エレキテル連合がいい感じで引き締めて、だいぶ持ち直しはしたものの、もうひとつ沸くところまで届かない。そんななかで、ハマカーンはさすがに脂が乗ってましたが。
BOOMER&プリンプリンがもはや見飽きたネタでくすぐったあとに登場したのは爆笑問題。このとき、中継でも公演会場がざわめいたのが解りました。通常このイベントでは爆笑問題がトリを務めるのですが、それにしてもあまりに早すぎる。まあ、この時点でトリはスペシャルゲストに譲ったのだろう、と察しがつきますが、それでも時間的にかなり早いのです。
どうして早い登壇になったのかは最終的に解りました。年末なので、少し長めにネタを用意していたようです――個人的には、タイタンメンバーのなかで、恐らく今日はどうしても出られなかったのがひと組いたから、その分も尺を使ったのでは、と勘繰っていますが。相変わらず時事ネタを丹念に織り込み、随所で田中のさり気ない毒も含んだ安定の仕上がりで、序盤の不調はだいたい取り戻してしまった。
そして最後に満を持して登場したのは、今回のスペシャルゲスト、笑福亭鶴瓶師匠です。ちゃんとした落語のお披露目、と言い条、最初は爆笑問題のネタから引き継ぐかたちで『笑っていいとも!』終了の話題に触れ、延々雑談が続くのでどうなるのか、とハラハラさせておきながら、自身の師匠の話から滑るようにネタになだれ込み、あとはひたすらに笑わせ、最後にほろりとさせる圧巻の巧さを見せつけた。無軌道に語っていたかのように聞こえた序盤の雑談が、ちゃんとネタの前振りになっていたことにもあとあと気づかされて、ただただ唸らされることしきり。
師匠は若手の芸も褒めていましたが、やっぱり今回は鶴瓶師匠の技に尽きます。年の瀬にいいものを見せていただきました。
なお、上に掲げた写真は、帰り際に撮影した、森ビル前に飾られたクリスマス・ツリーです。ついでに謎のオブジェ・ママンと東京タワーもまとめて撮ってみた。
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