観逃さずに済みました。

 週末は封切り鑑賞、ですが今週は最優先のものがきのう公開、今日封切りのものにも観たいものはありますが、そんなに急ぐ必要はない。それよりも、先月からこっち、諸般の事情で観たかったものを大量に先送りしており、終了してしまった作品も無数にある状況なので、出来れば心残りになりそうなものを優先して押さえておきたい。そう考えて、スケジュールを色々と調べてみたら――これしかない、というものが急浮上してきました。夕方スタートの1回きりなので、本日はこれ1本に絞ることに決め、午前中はお買い物のためだけに費やしました。

 夕方から自転車にてTOHOシネマズ西新井へ。まだ8月ですが、もう始まっている学校もあるのか、或いは映画館に来るような子供は宿題に追われているのか、土曜日にしては緩やかな人の入り。かといって閑古鳥が鳴いているわけでもないので、罪の意識に駆られることなく、程良いゆったり感のなかで鑑賞出来ました。

 本日の作品は、『真珠の首飾りの少女』のピーター・ウェーバー監督が、トミー・リー・ジョーンズマッカーサー元帥役に招き、“なぜ天皇は裁判にかけられなかったのか”の謎を、フィクションを交えて描いた終戦のエンペラー』(松竹配給)。公開前から愉しみにしていたのですが、何だかんだで観る機会が見つけられず気づけば公開から1ヶ月以上。西新井でも当初は金曜日あたりで終映、という案内が出ていたので、ほとんど諦めていたのですが、スケジュールを確認してみたら、1週間は予定に組み込まれている。こりゃ観るしか、と馳せ参じた次第。

 公開直後に聞こえてきた評判通り、確かに恋愛要素はちょっと邪魔。個人的には、あっても構わないと思うのですが、視点人物であるフェラーズ准将の行動原理として仄めかし、最後に彩り程度に提示するくらいでよかったのではないでしょうか。ただ、当時の日本の状況や、アメリカ人には解りにくい精神性はかなりしっかりと織りこまれている。マッカーサーを単なる優れた指導者としてでなく、政治的な目論見もあるしたたかな人物でもあることも描いてますし、全般に色眼鏡なところがないのは好感が持てます。もっと謎解きの明瞭な部分とグレーな部分の配分がよければ傑作になり得たのに、と言いたくなりますが、日本人が観て不快にならない、誠実な仕上がり。後日映像ソフトで観てもたぶん納得はしたでしょうが、それでも前々から気にしていた者としては、スクリーンで鑑賞出来て幸いでした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました