ミステリ、SF、ホラーと多彩なジャンルの小説を著し、スティーヴン・スピルバーグのデビュー作『激突!』など、映画でも原作のみならず脚本を提供してきた作家リチャード・マシスンが亡くなったそうです。享年87歳。こちらがYahooニュースの記事。
2006年に『奇術師の密室』が訳出されていますが、著作の邦訳はそれほど盛んではなく、私は彼の小説そのものは読んだことがないのですが、しかし映画ファンとしてこのひとの名前はやはり無視しがたい。前述の『激突!』だけでなく、ホラーの伝説的名作『ヘルハウス』にSFテイストのラヴ・ストーリーの傑作『ある日どこかで』の2作は原作・脚本、最近でもケヴィン・ベーコン主演の『エコーズ』やウィル・スミス主演『アイ・アム・レジェンド』、そして母子をテーマにしたSFのヒット作『リアル・スティール』など原作を土台にした映画が製作されており、しかも今年に入って『縮みゆく人間』を子息と共同で脚色しリメイクする計画が浮上してさえいた。年齢が年齢なだけに仕方のないところですが、作品の価値が下がらず、当人も創作意欲をこういうかたちで示していただけに惜しまれます。
しかしたぶん、この方が原作・脚本を手懸けられた作品の多くが今後も愛され、新しいクリエイターによって再生を試みられるのでしょう。とりあえず、『縮みゆく人間』の完成を待ちたい――あ、私はそのまえにオリジナルを観ておくべきか。
ご冥福をお祈りいたします。
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