駄目かと思いました。

 ……上記のように、映画鑑賞自体は堪能したわけですが、この移動中にちょっとしたトラブルがありました。

 最寄りのコンビニにてモバイルSuicaのチャージをしたのち、急いで駅へ向かおうとしていたときのこと。スマートフォンを手に持ったままでいたため、ふだんウエストバッグの通信機器類を収めているポケットを開けっ放しにしていた。

 iPhoneが、落ちた。

 地面に落ちた鈍い音と同時に、Bluetoothで繋いでいたオーディオレシーバーが突如、回線が切れたことを示すアラームがイヤフォンから鳴り響きました。

 慌てて少し道を戻って拾い、ホームボタンを押す――反応なし。

 電源ボタンを長押しする――反応なし。

 ホームボタンと電源ボタンを一緒に長押しし、リセットする――反応なし。

 本当に、うんともすんとも言わない状態。さすがにちょっと青褪めました。私の利用しているのはSのつかないiPhone4、とうの昔に保証期間は終わっている。修理するとなったら、いくらぐらいかかるのか?

 ただ、映画を観たりしているうちに、だいぶ気持ちが落ち着いてきて、冷静に考えられるようになった。前述したように、保証期間が過ぎるほど使い倒しているわけですから、元は取っている。そして、未だ噂の段階ですが、間もなく次世代機がリリースされる、と言われている。もし修理費用がべらぼうにかかるようなら、それまでのあいだは諦めて寝かせて、新機種に移行するのもいいかも知れない。

 更にもっとよく考えれば、こういう場合に自分で出来る対処がひとつだけある。眠っている前世代のiPhone3GSを再利用すればいい。動作は遅くなるでしょうし、使えない機能も少なからず出て来るでしょうが、いちばん利用している音楽再生には不都合はないはず。

 そして自宅最寄りの駅に着き、近くのSoftBankの店舗に立ち寄って、修理についての確認――Apple Storeでしか受けられないため、対応している店の一覧表を頂戴しました――をした頃には、もっと冷静になっていた。見たところ、機体にはこれといった傷もついていない。突然停まったのは恐らく、ショックでデータが消えた、という類のトラブルと考えられる。つまり、パソコンに接続して、うまく認識されれば、復旧出来るかも知れない。システムを復元する必要はあるでしょうが、修理でお金を払わなくても済むので、試してみる価値はある。

 帰宅後、落ち着いてからパソコンを起動、試してみたところ――びっくりするほどあっさりと復旧しました。最初の起動に手間取ったぐらいで、そのあとは普通に使えるようになっていた。安心しましたけど、むしろ拍子抜けするくらい。

 まあ、本当にずいぶん使い倒したiPhoneですから、次の機種が発売されたらすぐに、ではなくとも追々切り替えようかと思ってますが、無事に蘇ったので、また機嫌を損ねないよう、その日までいたわって使い続けます。

 ……あー、びっくりした。

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