最高難度の“挟み撃ち”。

 先週、観るタイミングを逸してしまった作品を押さえるべくお出かけ。
 しばらくどんよりとした陽気が続いていましたが、今週は晴れの予報が多いので、安心してバイクを利用しました――例によって、有楽町界隈で最安値の駐車場が埋まっていたため、別の駐車場に移動する時間はかかってしまいましたが。きょうの訪問先である丸の内ピカデリーまでは若干距離があるので、余裕を持って出かけたのに、きっちり開場時間に到着したのでした。
 鑑賞したのは、コロナ禍で喘ぐ映画業界の救世主扱いされている話題作、世界を崩壊させる“兵器”を巡る死闘を、未曾有のヴィジュアルで描き出したクリストファー・ノーラン監督最新作TENET テネット(字幕・Dolby Cinema)』(Warner Bros.配給)。ハイグレードのスクリーンで観るのは既定路線、でも最近は、IMAXよりもDolby Cinemaのほうが好きなので。
 ……よくこれがヒットするよなあ、というのが正直なところ。たぶん、「面白かったけどよく解らない」と思ってるひとも少なからずいるのではなかろうか。それを見越したような、登場人物の「考えるのではなく、感じて」という台詞や、視覚的なインパクトの著しいヴィジュアルが、発想の厄介さを超えて本篇をエンタテインメントとして成立させてる。
 しかし核となるアイディアも凄い。SF的に言えば、ある種の大問題も横たわってるんですが、それを意識的に振り切りながらも可能な限りSFとしてのイマジネーションとリアリティを調和させ、これまで見たことのないようなドラマ、サスペンスを構築している。大きな仕掛け自体は類例も思い浮かぶんですが、本篇のようなやり方は類を見ないし、追随も難しい。この晦渋なプロットを、膨大な予算や優れたスタッフを投入して結実させてしまうこと自体が、クリストファー・ノーランという映画人の凄みを証明している。
 ……でもちゃんと咀嚼するためには、あと1、2回は観ないと駄目な気がします。すぐに、は疲れるので、そのうちに。

 鑑賞後は、またぞろ二代目めん徳 つじ田 御茶ノ水店に予め電話をしておいて、テイクアウトのつけ麺を購入して帰宅。個人的に、こういうスタイルが確立できたのは、コロナ禍で得られた嬉しい変化のひとつです。基本、食べるのが遅い人間にとっては、行列店でも待機客に気を遣わずに済むこのシステムはほんとーに有り難い。

コメント

  1. […] 原題:“TENET” / 監督&脚本:クリストファー・ノーラン /  […]

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