レンタルDVD鑑賞日記その292。

  • 『SPL/狼よ静かに死ね』(KLOCKWORX)

『イップ・マン』2作でその名を知らしめたウィルソン・イップ監督×ドニー・イェン主演の、調べる限り初顔合わせとなった、マーシャル・アーツと香港ノワールを融合させた作品。一帯を牛耳るマフィアのボスと、犯人逮捕のためなら手段を問わない刑事達の壮絶な争いを描く。

『導火線』に先んじて、ドニーを荒ぶる刑事として描き出した作品ですが、既に作風が固まっている。警官を中心に進めつつも、手段を選ばない捜査ぶり故に自らを追い込み、終盤で壮絶な争いに発展する。アクションの見せ場は『導火線』よりも控えめですが、その分密度が高い。父の日を背景にしたドラマ描写や、なまじツボをわきまえていると引っかかる意外な結末がもたらす虚無的な余韻が秀逸。眠気で朦朧としていた午前中に観てもグイグイ引っ張られてしまったことからも解る通り、すごーく好みでした。

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