久々に映画のハシゴ→新耳袋トークライブ64の強行スケジュール。

 きのう、やけにはやばやと日記をアップしたのは、例によって例のイベントに参加するついでに映画を観るためでした。ひとつ、どうしても観逃したくない作品があったのですが、それがちょっと前から午後2回のみの上映になり、間もなく終わりそうな気配を見せているため、新宿に出かけるついでに鑑賞しようと思ったのです。いわゆるレイトショーではなく、それを観たあと新耳袋の開場までにもう1本ぐらい鑑賞する余裕があったので、ちょっとしんどいのを承知でハシゴを敢行。

 まず訪れたのはテアトルタイムズスクエア。ほんとーに最近、特定のシネコンでばっかり観ているせいで、この手のいわゆるミニシアターには立ち寄る機会が減っています。先週の『ぼくのおばあちゃん』もテアトル新宿で観た1年と3ヶ月ぶりぐらいの作品だったのですが、今回のテアトルタイムズスクエアは前が『リバティーン』、実に2年半ぶりの訪問なのでした。私、ここの落ちたら最期レベルの急傾斜の座席と大きなスクリーン、大好きなんですけど。

 で、肝心の鑑賞作品は、今年冒頭に日本で公開された『フローズン・タイム』が好評を博したショーン・エリス監督が今年発表した長篇第2作、“鏡”のモチーフに彩られたサスペンスブロークン』(LIBERO・配給)。出来のほうは……正直に言って、まあまあ。相変わらず映像は美しいし、前作とはまるで異なる緊張感のある演出も堂に入っているのですが、中心となるネタが慣れた人間には解り易く、しかしあまり解釈をせずに観るタイプの人には解りにくい印象があるのが気になります。やっぱり私にとっては好きなタイプの映画だったのですが、人に薦めるときには少し考えないといけません。

 鑑賞後、急ぎタカシマヤタイムズスクエアを出る……が、実はこの時点ではまだ観る作品を決めてません。上映時間をチェックして候補は決めてあるのですが、まだ決めかねていたのです。13日封切りだった作品にするか、TOHOシネマズ系列で上映しているけれど色々あって先送りにしていた作品を取り急ぎここで押さえるか。

 最終的には、作品よりも劇場優先で決めました。向かったのは、今年新装オープンしたばかりの新宿ピカデリー。建物の老朽化でいちど撤去されたのですが、今年の夏に全10スクリーンのシネコンとして復活したのです。先週、テアトル新宿を訪れたときに外の様子は見たのですが、中も確かめたかったので、こちらで上映されている作品に決定。

 劇場は、やたらまばゆい白で統一された内装になっています。階段やエスカレーターで上がった3階に、チケットカウンターにコンセッションといった窓口が揃っている。吹き抜けを中心にチケットカウンターらがぐるりと設けられていてデザイン性は高いのですが、咄嗟に構造が把握しづらい。エスカレーターを上がったところで、どこに向かえばいいのかちょっと悩みます。到着した時点で上映開始5分ぐらい前、充分間に合うだろうとチケットを買ったあと売店で飲物とプログラムを購入して入場口に向かったのですが、もぎりの女性にこう言われて、絶句。

「6番スクリーンは9階にございます。エスカレーターで上がってください」

 ……入場口の奥にエスカレーターがあって、本当にそれで6階分上がらなきゃならないのです。当然、着いたときには予告編の真っ最中でした。スクリーン番号は下の階から順番に振られており、あとで調べてみたら、スクリーン7以降は11階にありました……今後観に行く方はその点にも留意してください。また、そういう構造上、ポップコーンの類は3階で予め買っておいたほうが良さそうです。戻るだけでひと苦労。ただし、トイレと飲物の自動販売機は各階に設けられているもよう。

 そして鑑賞した作品は、矢口史靖監督の最新作、あるトラブルに遭遇した旅客機を巡る各所の混乱と奮闘ぶりを、丹念な下調べのもとコミカルに描いた作品ハッピーフライト』(東宝・配給)。2作立て続けに良作を繰り出してきた監督なので不安はなし、とにかく劇場でちゃんと観ておきたい、と念じていた作品だったのですが、やっぱり盤石の出来でした。それどころか、これまでに私が観た矢口作品の最高傑作と言っていいと思う。前2作はひとりの人物を軸に全体の成長を、ちょっとしたリアル・ドキュメンタリーの風味を混ぜて描いていましたが、今回はやはり中心人物は設定しつつも、群衆劇、かつ多視点での物語として発展させている。前の2作にあったような、成長を正当化させるための無茶な展開もなく、描写のバランスも見事。こちらは文句なしにお薦めできる1本です。……ちなみに、あとで気づきましたが、これが今年、延べ100本目となる劇場での鑑賞作品でした。今年はタイミングを配慮する余裕が全然なかったんですが、区切りがこれで良かった。

 観終わったあとは、歌舞伎町に赴きファストフード店で軽く食事を摂ってからロフトプラスワンへ。今年最後となる新耳袋トークライブ64は、いつも同行してくださるN氏は別の用事のためキャンセルとなり、今回は私ひとりでの参加となりました。

 序盤はいわゆる心霊写真に、私が参加できなかった前回言及したという、毎日決まった時間に起こる現象を収めた映像の検証、そして毎度ながら映画秘宝の人々がまたやらかしてくれました、という展開。例によってWebで触れられない話題が満載でしたが、来年に向けて色々と興味深い話が繰り広げられました。

 二部まではそんな感じでしたが、第三部は木原氏と、すっかりレギュラーとなった某嬢の怪談ずくめ。全般に小粒ながら、なかなかにスパイスの利いた話揃いでした。このところ午前2時を過ぎるともう耐えがたい眠気に襲われる有様で、昨晩も同様だったのですが、ところどころで眠気を一時的ながら払ってくれるような強烈なのもあったので、最後まで完全に眠らずに済みました。

 ……とは言い条、しんどかったので、終了後はとっとと退出。帰宅後はさっさと床に就いたのですが、しかしあれだけ眠気が激しかったのに、2時間ちょっとで目が醒めるのはどうしたことか。

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