県予選進出への鍵を握る東城高との決戦、だが珠姫は相手方高校の女子生徒達の奸計で倉庫に閉じこめられてしまう。そんな彼女を助けてくれたのは、東城高主将・小西――だが彼女は、女子生徒達よりも姑息だった。助けた振りをして、珠姫を転ばせて怪我を負わせる。不戦勝ではなく、試合で完膚無きまでに叩きのめすことを目論んで。だが、その卑怯な手口が、剣道を愛している珠姫の闘争心に火を点けた。室江高のメンバーそれぞれに問題を抱えながら、試合は始まった――
今回は１話ほぼみっちり試合漬け。原作でも初めて本格的に戦いを描き込んでいるくだりなので楽しみにしていましたが、試合の部分に勢いがあって見応えがありました。青春ものと言い条、剣道が主題なのですから、やっぱりこのくらいやってくれないと。
しかし、珠姫を巡る状況が深刻なぶん、この試合でいちばん展開がコミカルな聡莉がちょっと強調されている印象です。……馬鹿だよなあ。本当は強いのに常にこんな扱いの聡莉に、本当の意味での活躍の場は齎されるのでしょうか。まあ、登場が遅れた分、どんな格好であれ見せ場があるだけいいかも。
ただ、最大の見せ場であるあの一撃のシーンは、それ以前の迫力を活かして無音、原作に倣って最初に竹刀の軌道が見えるという趣向を使って、より戦慄を齎す形にしても良かったのでは、と思います。もともと強すぎて相手を簡単にあしらい、部活を通して成長してもそれ故に温厚な試合運びをする珠姫の圧倒的な力が正面に出る、今のところ原作では唯一の出来事なので、もーちょっと徹底して描いて欲しかったところ。まあ、それを抜きにしても充分工夫を凝らしていたので、概ね満足。
ところでこのアニメ、合宿あたりからオリジナル展開に入るのかと思いきや、どうもこの県北予選を境に移行するみたいです。なんかオリジナル・キャラのデザインが公表されていたり……原作の常に意表を衝く筋廻しが踏襲できればいいんですが、はてさて。
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