深夜、酔っぱらった挙句に終電を逃してしまったふたりのサラリーマン。奥多摩霊園行きの臨時列車がある、と言われて乗り込んだのだが、しかしその中には妖怪が跋扈していて……
先週までとは趣が一変して、人間界を中心に“奇妙な出来事”を描いた異色の1話。何せ鬼太郎が妖怪退治をするどころか、どう見ても仲間と結託して人間を引っかけようとしてます。
気になるのは、鬼太郎の行動に明白な動機付けが見当たらない点です。この話の成り行きだと、本当に冒頭の出来事に対する腹いせに仕掛けたように見えるのですが、しかしいかな妖怪といえどあそこまで周到に準備できるかどうか。であれば、結末でのサプライズ(といっても予想の範囲内ですが)がそのまま動機と捉えられるのですが、それでも何故あんな込み入った真似をする必要があったのか、そもそも何故そうしなければならなかったのか、が疑問として残る。意識して残した謎、と呼ぶには手懸かりがなさ過ぎて、違和感だけを留めてしまっているのです。
しかし、話の流れや雰囲気作りは見事に怪談調で、たぶんその手のものに免疫のない子供はけっこう本気で怖がるかも知れません。そう思わせるほどよく仕上がっている。作ったのは誰だ、とエンドロールを凝視してみれば、脚本家はいつものおひとりでしたが、演出はなるほど、の角銅博之氏。……今回のネタ自体、仕込んだのこの方じゃないのか?
コメント
今回の話は、鬼太郎おなじみのものです。
本来は殴られてたんこぶを作らされて少々腹を立てた鬼太郎が「同じこぶでかえさせてもらう」と仕返しにかかる話で、たとえていうなら昔話で昼寝してる狐にいたずらしたら化かされてひどい目にあった、とかそういう話があるでしょ?そういった類の話なんです。
いつもは妖怪退治をしてる鬼太郎が珍しく人間に対して妖怪らしさを発揮する話で非常に人気があり毎回リメイクされてます。
今回で4回目なので、違ったアレンジをしたんでしょう。
ああなるほど、その系統の話と捉えれば、確かに鬼太郎本来のスタイルのひとつと考えられますね。何せそこまで熱心な視聴者ではなかったので、細かなエピソードを覚えていないもので……。
ただ、それでもこういう構造にしてしまったこと、鬼太郎の動機が曖昧になってしまったのは惜しまれます。ちょっとオチをつけすぎたのかも。